ひきこもり自宅から連れ出し違法 横浜地裁、支援業者に賠償義務
ひきこもりの自立支援をうたう業者に自宅から連れ出され、神奈川県内の施設に監禁されたとして、関東や沖縄県に住んでいた20~40代の男性7人が計約3千万円の慰謝料を求めた集団訴訟で、原告側代理人は10日、うち2人について横浜地裁が業者の違法性を認め、謝罪や慰謝料の支払い義務を盛り込んだ決定を出したと明らかにした。昨年12月19日付。 決定は民事調停法17条に基づき、和解と同じ効力を持つ。残る原告は訴訟を継続し、近く判決が言い渡される見通し。 こうした業者は「引き出し屋」と呼ばれ、各地で違法性を認める判決が相次いでいる。 決定は、業者側が(1)原告の承諾を得ず自由を違法に制限したと認めて謝罪(2)慰謝料(1人は40万円、もう1人は非公表)を支払う(3)今後は違法な自立支援事業を行わないことを約束―とした。 施設は一般社団法人「若者教育支援センター」が運営していた「ワンステップスクール湘南校」。原告らはバイトや求職中だった17~19年、親の依頼を受けた法人の代表やスタッフに無理やり連れ出された。