生活感漂うつばさの党「拠点」 ごみ捨てルール張り出し、動画撮影器具…複数人が食事
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で、政治団体「つばさの党」代表、黒川敦彦容疑者らが逮捕された17日、同党が活動拠点としている東京都練馬区にある党幹事長、根本良輔容疑者の自宅では、支援者の男性が関係者に声をかけていた。 【写真】ピースする様子も…警視庁に入る黒川敦彦容疑者 「これから百合子(小池百合子東京都知事)のところに行くから準備して」 ■十数人が出入り、動画配信部屋も 西武池袋線大泉学園駅から徒歩10分ほどの閑静な住宅街にある一軒家。3階建てで地下室もあるといい、表札には根本容疑者と別の名前が記載されているが、つばさの党の活動拠点でもある。 住宅内では支援者ら十数人が常に出入りしており、玄関を入ると、人いきれのような湿気を含んだ生活臭が漂う。扉や壁などには、ごみ捨てのルールなどが張られ、複数人が生活している様子をうかがわせた。 「実際に寝泊まりしているのは4、5人。あとは自分の家から通っている」。拠点にいた関係者はこう話す。1階の一角には、動画の撮影、配信を行う部屋がある。動画投稿サイト「ユーチューブ」などでの動画配信は、主要な活動の一つだ。幹部3人が逮捕された後も、支援者らが撮影の準備などを淡々と続けていた。 ■摘発「覚悟していたよ」 「それは根本が使うやつ」。部屋の中央に置かれたトレーニングマシンを指し、会社役員と名乗る男性が説明した。男性は党員ではないというが、「政策アドバイザー」と呼ばれて普段から拠点に出入りしているという。「(妨害行為は)まあ、やりすぎだったかな」と話した。 その近くでは、芸能ライターという男性が、小池知事らへの街宣活動の準備を進めていた。「(逮捕は)言論弾圧だ。今回のは選挙期間中だから」。男性は、こう正当性を強調した。 拠点の別の部屋からは、食事をしている複数の若い男性の声が漏れる。 「こうなるのは覚悟してたよ。これが最後の晩餐(ばんさん)になるのかな」(塚脇亮太、外崎晃彦)