『ちびまる子ちゃん』2代目「まる子役」声優・菊池こころ「アルバイトと掛け持ちでクビになったことも」下積み時代を語る
■声優と掛け持ちで多様なアルバイト経験も ── ほかの仕事をされた経験はありますか。 菊池さん:声優と掛け持ちしながらアルバイトで接客業をしていたことがありました。飲食店やコンビニ、販売など。でも向いていないと思います。ちょっとしたことでイライラし、態度にも出てしまって。 ── イライラしている姿がまったく想像できません! 菊池さん:お客さんに対して、「レシートくらい持って帰ってよ」とか「こんな小さいの、袋に入れなくてもいいでしょ」とかいちいち思ってしまって(苦笑)。でもお金を稼がなくてはならないので、なんとか続けていました。振り返ってみても、あまりいい店員ではなかったと思います。
── 声優1本でやっていくきっかけがあったそうですね。 菊池さん:アルバイト中に、初めてレギュラーの作品を2~3本いただけたことがありました。アルバイト先に、「シフトに入るのを少しの間お休みさせてください」と言っていたのですが、しばらくして行ってみると、「そんなに入れないなら来なくていいです」と言われて。クビになってしまいました。 声優だけでやっていけるとは今も思っていないんです。でも、クビではありましたけど、「あのときアルバイトを辞めていなかったらどうなっていたんだろう」と思うことはあります。
── さまざまな作品に出られていますが、どうやって役柄を切り替えているんですか。 菊池さん:特に意識はしていないのですが、現場に行ったらその役になるという感じです。でも役に自分がうまくはまらなくて、何度も録り直しになってしまうこともあります。その間、ほかのみなさんをずっとお待たせしてしまうので、申し訳ないなと思いますね。表現できない自分の力不足を感じることもあります。いろんな人の手を渡ってきて仕上がった作品で、声優は声を吹き込むという大切な役割を担っています。これまでの方の努力を台無しにしないようにと思っています。