イスラエル、ヒズボラに大規模攻撃、274人死亡 住民に避難勧告も
事態が全面衝突にエスカレートするのではないかとの懸念が高まっている
国連人権高等弁務官事務所のラヴィナ・シャムダサニ報道官は仏AFP通信に、国連は「レバノンにおける攻撃の応酬の激化を非常に懸念し、深く憂慮している」と語った。イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相はXに投稿した声明で、ロイド・オースティン米国防長官と22日夜に協議し、「ヒズボラの脅威に関する状況評価と、ヒズボラのイスラエル市民を攻撃する能力を低下させるための国防軍の作戦について説明した」と明らかにした。「広域の情勢、イランと同国を後ろ盾とする武装グループの脅威についても話し合った」とも述べた。 23日の空爆の前日には、ヒズボラはイスラエル北部を100発以上のロケット弾で攻撃した。イスラエルは20日と21日に、イブラヒム・アキル司令官らヒズボラ幹部を標的とした空爆を複数回行った。米国は、米国人数百人が殺害された1980年代の2回のテロ攻撃にアキルが関与していた疑いがあるとしている。 レバノンでは先週、ヒズボラの戦闘員らが使用していた数百ものポケットベルがレバノンとシリアの一部で同時に爆発し、少なくとも12人が死亡、2750人以上が負傷した。レバノン当局者らはイスラエルによる攻撃だと非難しているが、イスラエルは関与を明確に認めていない。ヒズボラの指導者らはイスラエルへの報復を誓っている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、レバノンとの国境沿いで交戦が激化する中、自宅から避難を余儀なくされたイスラエル北部の住民を安全に帰還させるために必要なことは何でもすると述べている。 ガザでのイスラエルとハマスの戦争が2年目に突入しようとしているが、イスラエルとヒズボラの交戦の激化により、事態が全面衝突にエスカレートするのではないかとの懸念が高まっている。米国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は22日、ホワイトハウスは「ヒズボラとの全面戦争になるのを防ぐべく、できる限りのことをしている」と米ABCニュースに語った。
Siladitya Ray