平畠啓史チョイス“至極の11人”|トルガイのプレーはスマートなテーブルマジックの趣。何度見てもタネが分からない【J1月間ベストイレブン8月】
息を呑んだC大阪戦の2点目
攻撃的な中盤の右にはヴィッセル神戸の武藤嘉紀。2ゴール・3アシスト。ゴールに関わるだけでなく、ピンチでは自陣の深い場所にまで戻っての守備も厭わない。献身性のレベルが高すぎる。 左には3ゴール・1アシスト、東京Vの山見大登。まさにキレキレ! 強烈なスプリント直後でもバランスを崩すことなくプレーすることができる。キックも正確でゴール以外にも惜しいシュートも多い。爽快感溢れる山見のプレーは見ていて楽しい。 トップ下は後ほど。広島のあの人です。 2トップは京都サンガF.C.のラファエル・エリアスと川崎フロンターレの山田新。ラファエル・エリアスはセレッソ大阪戦のハットトリックを含む4試合で5ゴール。職業欄にプロサッカー選手ではなく、ストライカーとか点取り屋と書いてほしい。圧倒的に勢いがあり、常にゴールを獰猛に狙い続ける。マルコ・トゥーリオとの関係性も非常に良い。 山田は8月、2試合連続2ゴール(7月最後のゲームを含めれば3試合連続)。ゴールするためのポジショニングや身のこなしが素晴らしい。そして、シュートの瞬間にパワーを最大出力に持っていくことができる。さらにゴール数を伸ばしていくだろう。 トップ下で8月のMVPは、広島のトルガイ・アルスラン。26節・C大阪戦で2ゴール。29節・FC東京戦はハットトリックで、8月の5試合で5ゴール。フィジカル重視かつコンパクトでスペースが限られている現代サッカーの中で、ファンタジーを披露することができる稀有な選手。 特にペナルティエリア内でのスキルと冷静さは秀逸で、あまりの素晴らしさに息を呑んだのは26節・C大阪戦の2点目。井上愛簾のパスをボックス内で受け、ディフェンス2人をかわしたが、キックフェイントの瞬間にはディフェンスの背後でGKのキム・ジンヒョンも反応して身体を倒していた。 そのプレーぶりはマジシャン。それも昔の怪しい衣装を着て、大掛かりなネタで楽しませるというより、スキルを用いて観客の目の前で披露するスマートなテーブルマジックの趣。何度見ても驚かされるし、何度見てもタネが分からない。広島のスーパーマジシャン、トルガイ・アルスラン。次はどんなマジックで観客を魅了するだろうか? 取材・文●平畠啓史
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