宮島包ケ浦に新たなヘリポート整備 廿日市市、観光にも活用 8月にも工事着手
広島県廿日市市は、宮島の包ケ浦にヘリポートとして利用できる広場スペースを新たに整備する。弥山などの整備を担う業者の資機材を運搬するヘリを受け入れるほか、観光客のアクセスにも活用を広げる想定で国の補助金を受ける。8月にも工事に着手する。 【地図】新たなヘリポートスペース 市観光課によると、宮島の東側にある包ケ浦桟橋周辺の市有地で、小型から中型のヘリ発着に必要な20メートル四方、400平方メートルのスペースを確保する。かつてフェリーの券売所だった築40年の平屋の建物を解体し、周辺の緑地帯も撤去。年内にも工事を終える予定だ。 市は整備費として2024年度当初予算で2950万円を計上。うち半額近い1340万円を、観光地の高付加価値化に向けた国の補助金で賄う。今後、必要に応じて排水や舗装などの工事も進めるという。 島内では現在、3月末に休園した包ケ浦自然公園内のグラウンドとその隣接地でヘリの発着を受け入れている。業者の申請を受けて市がその都度許可する形で、弥山山頂の汚泥搬出や登山道改修のための資材搬入など年間100回程度の利用がある。 市は、同公園で高級宿泊施設の誘致を計画。実現すれば、従来のヘリポートスペースが使えなくなる可能性がある。新スペースの確保はこれも踏まえた判断で、将来的な一本化も視野に入れている。宿泊施設の誘致計画に反対する住民たちからは、必要性を疑問視する声や宮島周辺でのヘリの旋回などを懸念する声も出ている。 同課は「ヘリポートスペースの整備は宿泊施設の誘致ありきではなく、宮島全体のアクセス向上が目的。宮島の遊覧飛行などは許可しない」と理解を求めている。
中国新聞社