英経済、力強くリセッション脱却-1-3月成長率予想上回る
(ブルームバーグ): 英経済は昨年後半の緩やかなリセッション(景気後退)から力強く立ち直った。経済成長という公約のを実現に苦労しているスナク首相にとってある程度安心感を得られる結果となった。
英政府統計局(ONS)の10日発表によると、1-3月(第1四半期)の国内総生産(GDP)は前期比0.6%増と、英国が新型コロナウイルス対策に伴う制限措置を緩めた2021年10-12月期以来の大幅な伸びとなった。エコノミスト予想では0.4%増が見込まれていた。
小売店に客足が戻り、目立ったストライキもなかったことから1-3月期は輸送が拡大した。3月だけの成長率は0.4%で、エコノミスト予想の0.1%を大きく上回った。
KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「英国経済は最悪期を脱した」と述べ、「先行きを示唆する指標は、今後数カ月でさらに勢いが増すだろう」と指摘した。
英国は昨年下期に景気後退に陥ったが、その落ち込みは約70年ぶりの小幅なものにとどまった。経済成長の伸びはインフレ圧力に拍車をかける可能性もあり、当局者はインフレ抑制にまだ確信を持てずにいる。今回の統計結果を受け、イングランド銀行(英中央銀行)による利下げ時期の見極めは複雑になるとみられる。
英国の1-3月期国内総生産(GDP):速報値(表)
原題:UK Recession Ends With Strongest Growth Since End of Lockdown(抜粋)
--取材協力:Andrew Atkinson.
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Tom Rees, Andrew Atkinson