巨人・長嶋茂雄終身名誉監督、サプライズ視察 リーグ戦再開前日に岡本和らを熱血指導「これから打撃陣は上がってくれる」
巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(88)が20日、東京ドームで行われた全体練習をサプライズ視察した。21日のヤクルト戦(東京ドーム)から再開するリーグ戦に向けてチームを激励し、主砲の岡本和真内野手(27)らを身振り手振りを交えて熱血指導した。 【写真】巨人・岡本和真の練習を見守る長嶋茂雄・終身名誉監督 あふれんばかりの情熱が漂っていた。車いすで打撃ケージの裏に向かった長嶋氏は、何度も左腕を動かしてスイングを再現。直立不動でその助言を受けた岡本和が、ナインの気持ちの高まりを代弁した。 「今年はたくさん(チームの元へ)足を運んでくださっている。長嶋さんに直接指導してもらえることは、最近ではなかなかないので、貴重で、ありがたい」 試合のなかった5月27日に個人的に面会し、素振りをして助言を受けて以来の指導だったそうで「(バットを)振り上げないようにというか、その間(ま)」を伝授されたという。交流戦は打率こそ・221と低調だったものの、最後の2試合だった15、16日の日本ハム戦で本塁打を放つなどトップに並ぶ14打点をマーク。長嶋氏は球団を通じたコメントで「足を上げてタイミングを取る意識があるので何も問題ない」と合格点を与えた。 ミスターは約1時間、丸や坂本、大城卓らに視線と助言を送り、球場を後にした。2022年9月に自宅で転倒して入院したが、順調に回復。阿部監督が就任した今季は東京ドームを訪れる機会が増え、5月3日の「長嶋茂雄デー」と題された阪神戦では松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)とグラウンドに登場した。ただ、練習日の訪問は極めて異例だ。 「みんなしっかり振っているし、これから打撃陣の状態はしっかりと上がってくれるでしょう」 視察後、ミスターはチームの反撃に太鼓判を押した。首位広島とは3ゲーム差とセは混戦。レジェンドの激励が何よりの起爆剤となる。(谷川直之)