どうなる阪神の二塁手争い。本命は「手抜きの神様」西岡?!
守備の人、大和は、センター兼用ではなく、内野手のグローブだけを持ち込んで、二塁一本でキャンプに臨んでいる。その守備力は、セ・リーグ全体でも1、2位を争うほど素晴らしい。センターラインを固め守備的なゲームを狙うならば大和だろうが、いかんせん、打率.225ではベンチが動きようがない。昨季は2番の打順で49試合に起用され、29犠打を残したが、ほとんどがバントだと作戦の選択肢が限られる。 一方、1番で27試合、2番で47試合起用された上本も、昨季は打率.253で、出塁率が.338と数字が物足りなかった。守備と走塁を含めた総合力では、3人の中では上本が一番だ。昨季のキャンプでは二塁争いで西岡に勝利して、三塁へ追いやった。しかし、その期待に応えるバッティングはできなかった。 他球団が警戒するのは西岡である。その勝負強いバッティングと、スイッチヒッターでもあり、左右どの投手でも打順を動かす必要がなく、チームのムードメーカーにもなれる。金本監督は「鳥谷2番案」を掲げているが、西岡が二塁のポジションを確保すれば、1番、2番、3番と、起用法のオプションが増える。 ただ問題は西岡自身も自覚しているが、シーズンを通じて働けるかどうかの体力の問題。そこをクリアしなければ、上本との併用で、打順を固定することが難しくなる。また守備力も3人の中で最も弱い。 西岡は、その二塁争いについて、「興味深いですが?」と、質問されると、「僕も興味深い。楽しんでいます」と、ジョークを交えて返した。 「(オープン戦は)結果よりも内容。今のところアピールはできていると思う」 西岡が語る“内容”とは、「体調を万全に整えてシーズンを通じて動けるのか」というクリアせねばならないコンディションの部分だろう。 西岡か、上本か、あるいは、大和か。金本監督を開幕直前まで悩ませることになれば、そのチーム内競争が阪神のチーム力を底上げすることは間違いない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)