2023年上半期検索急上昇1位!元日ハム杉谷拳士が栗山英樹監督からの言葉でセカンドキャリアを歩み出す
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■大谷翔平は「宇宙一」の野球人になった 日本が3大会ぶりに優勝を奪還したWBC、ワールドベースボールクラシックから3ヶ月。エンゼルスの大谷翔平選手をはじめ日本代表の選手たちはメジャーリーグで大活躍を続けている。一方、WBCの応援団として活躍していた元日本ハムファイターズの杉谷拳士はセカンドキャリアを踏み出した。 杉谷拳士はヤフー検索で上半期の検索急上昇ランキングで1位。2008年ドラフト6位で日本ハムファイターズに入団。チームのムードメーカーとして活躍し、2022年に現役を引退した。引退後、持ち前の明るいキャラクターを武器にテレビに多数出演。WBCでもリポーターとしての姿も記憶に新しい。 2022年に現役を引退し、選手という目線ではなく、外側から野球を見た杉谷は 「現役時代、共に切磋琢磨した選手が感情をむき出しにしてプレーしているのを見て、野球って面白いなと改めて感じましたし、一つのプレーでこんなにも人の心が動くんだなと実感しました 中でも投打に渡り活躍し、WBCのMVPを獲得した元チームメイトの大谷選手は杉谷から見ても、日本ハムファイターズ入団当時から365日野球のことだけを考え、野球中心の生活を続けるストイックさがあったと言う。杉谷からすれば、メジャーリーグのレギュラーシーズンでの活躍も当然なのかもしれない。 僕自身も彼のストイックな一面、また野球を楽しんでる姿というのがファイターズ時代またアメリカに行っても変わらない姿だったので、もうこのまま突っ走ってもらいたいですね。もう、宇宙一の選手になってしまった。本当にファンとしても元気をもらっていますね」 ■栗山監督の助言から「野球界の貢献にシフト」 明るいキャラクターを武器に各方面からのオファーも増えた。しかし、杉谷は葛藤していた。 「最初はなかなか難しかったです。引退してすぐお世話になることはとてもありがたいなと。ただ、自分が果たしたい野球界の貢献になっているのかな…と試行錯誤していました。」 杉谷はその不安を日ハム時代お世話になった栗山監督に何度も話したという。杉谷は「拳士は拳士らしく、拳士にできることをやりなさい」「前に進みなさい」という言葉を胸に、新会社を設立した。これまでやってきた野球界に恩返しをしたいこと、野球の裾野を広げることが目標だ。 中でも、自身がこれまで関わってきた野球の関係人口拡大が大きなミッションの一つだ。その背景には、杉谷自身が感じた野球人口の減少がある。野球をやっている少年が減少していることに少しでも歯止めをかけようと、ソフトボール、Baseball 5などのダイヤモンド型スポーツを学校や地域に訪れるなどして一緒にプレーし、地道な活動を続ける。 このような活動を続ける理由は、杉谷自身が心から野球を好きになったオーストラリアでの経験が生きている。 ■野球をオーストラリアでの武者修行 杉谷は2017年、プレーヤーとしてのキッカケを掴むために、日本のプロ野球のシーズンオフに、オーストラリアへ渡った。ファイターズでレギュラーの座に定着するために、オーストラリアのプロ野球球団ブリスベン・バンディッツで武者修行を敢行。杉谷は現地でも「kenny」と言う愛称で親しまれた。レギュラーを獲ってやろう、もっと技術を向上させたいと野球に打ち込んだ。 最終戦には、「日ハムの杉谷が来ているぞ!」と日本人の方が球場に集結。オーストラリアの空に杉谷の応援歌がこだました。打席に立ったときに思った。 「『今までは自分のために野球やっていたな。周りの人を笑顔にするために野球を始めたんだよな』と改めて思いました。声援を送ってくださる皆さんの笑顔を見て、『野球って本当に楽しいな』と感じました」 ■事業家としてのセカンドキャリア 杉谷が設立した新会社の社名は「ZENSHIN CONECT」だ。スポーツ、地域、学校、国際の4つの分野で「前進」したい誰かをサポートすることを事業の中核に置いている。 それぞれの分野を詳説する。スポーツ界における「前進」の支援。例えば、ダイヤモンド型スポーツの振興促進、野球教室や講演等による技術・メンタリティアップの支援、育成やトレーニングの環境改善への協力など。次に、学校における「前進」の支援。例えば、学校業務・教員業務への協力、授業や課外活動の取り組み支援、インターンシップ等のキャリア支援。続いて、地域における「前進」の支援。地域活性化のためのプロジェクト・イベントへの参画、自治体と連携した地域の情報発信、地域産業との連携施策の推進など。最後に、国を越えた「前進」の支援。例えば、オーストラリアへの留学の斡旋、新たなBASEBALL CULTUREの振興促進、アーバンスポーツを活用した国際交流の企画・実施など。これから取り組むべき社会課題は多岐に渡る。 杉谷はこう語った。 「何のために会社を立ち上げたかといいますと、挑戦にあふれる世界にしたいなと考えたためです。その上で、自身の経験や仲間の強みを掛け合わせた結果、4分野で皆さんと前進したいという考えに至りました。少しずつではありますが、地域面では地方自治体と連携してその地域の魅力を発信し、地域の活性に寄与する取り組みを進めています。YouTubeを始めた理由の1つは日本の素晴らしい魅力を世界に発信し、巡り巡って地域に貢献したいと考えたからです。また前職が高校教諭だった弊社取締役から、教育現場には生徒と直接向き合う以外の事務作業もたくさんあることを教わりました。そこで、生徒での講演活動や先生と生徒が時間に追われず向き合う時間を確保していただけるよう、会社として分掌業務の一部を受注しています。」 「これまでは打率とか防御率の計算をしていましたが、今は会社を取り巻く数字の勉強をしています。キツいことも多いですが、本当に新しいことばかりで毎日楽しいです!」 杉谷拳士の「前進」は始まったばかりだ。