日々の料理番組 体が喜ぶ旬のめぐみ 全方位ch
連日欠かさず全録画している番組がある。「キューピー3分クッキング」(日テレ系)と「きょうの料理」(NHK)だ。毎日のおかずに悩んだ際のヒントになるのはもちろんだが、舞茸ご飯や栗おこわなど旬の食材を使った味覚が次々と登場し、季節の移ろいを実感できる楽しみもある。 秋鮭、レンコン、ゴボウ、きのこ、サトイモ…。ついこの間まで夏野菜を使ったメニューがたくさんあったのに、もうすっかり秋だ。まだ暑く感じる日もあるが、確かにスーパーに並ぶ食材も少しずつ変化していることに気付く。 さらに、料理の豆知識が満載なのも魅力だ。いずれの番組も60年以上続く長寿番組。若い頃、魚の骨の抜き方や皮の取り方、エビの下処理などは番組から教わったものだ。つい先日も、生の新栗の処理や皮のむき方を解説していて、すかさずメモを取った。また、電子レンジを使ったスピードメニューや、保存食などテーマに絞った番組構成もあって、見ていて飽きない。 子供の頃から掃除は苦手だけど料理は大好きだった。親の手伝いからハマり、子供ながら包丁さばきが自慢。家庭科の成績だけは良かった。しかし、就職後の多忙な日々で食生活はどんどん乱れていく。結婚後しばらくは自炊を頑張っていたが、異動による単身赴任などでコンビニご飯や外食などに頼る生活。つい楽な方に流されるが、体調不良にもなりやすく、野菜不足を痛感していた。 「国民健康・栄養調査」(厚生労働省、令和4年)では、1日の野菜摂取量の平均値は270・3グラムで、この10年間で減少傾向。摂取目標量とされる350グラムには及ばず、中でも20代が最も少ないという。 野菜をたくさん食べたい。そんな思いから食生活を改善しようと近年、また料理を頑張るようになった。番組を見てはメニューに採用する毎日。子供の頃の料理の楽しさがよみがえってくる。家族はおいしいと言ってくれるし、何より自分の体が喜んでいる。 「食生活・ライフスタイル調査」(農林水産省、令和5年度)では、食に対して感謝の気持ちを感じるのは、「おいしい食材や料理を食べたとき」「旬の食材や季節を感じる料理を食べたとき」が全体の8割近く。おいしいものをおいしい季節に。さて、今夜は何を作ろうかな。(陽)