高橋尚成氏「攻めは完璧」4回0封のカブス今永を絶賛…大胆な高め直球と低め変化球でゾーン勝負
◆米大リーグ カブス8―1ドジャース(7日・米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド) カブス・今永昇太投手(30)が7日(日本時間8日)、本拠地・ドジャース戦に先発し、日米通じて初対戦だった大谷翔平投手(29)を2打数無安打に抑えるなど、4回43球を投げて、2安打無失点、3奪三振の好投を見せた。2時間51分の降雨中断があったため無念の降板となり、2勝目はお預けになったが、メジャーデビューから2戦10イニング連続無失点と、圧巻の投球を見せている。 * * * 悪天候の中での投球。今永は日本で8年先発ローテーションを守っただけあるピッチングだった。この状況下では、ストライクゾーンで勝負することが鉄則。寒い中、打者がストライクを早打ちするのは、日本も米国も同じ。雨脚が強くなった3、4回で今永が10球しか投げずに6アウトを取ったことを見れば明らかだ。 今永が4回を投げて43球に対し、相手先発のストーンは降板した3回までに77球。相手は天候を考えず、がむしゃらに投げすぎ。雨が降り始めたのは2回からで、今永は初回に大谷を空振り三振に斬った球がこの日最速の約152キロ、3回以降は5キロほど球速が落ちた。これはそこまで力を入れずとも、ゾーンで勝負する制球力を優先した証しだ。 今の大谷は絶好調じゃない。だから高めのまっすぐはフライにはならず、強引に打って長打にならないラインドライブ止まり。そんな時の対策として、この日の今永の攻めは完璧だった。まっすぐを捕手の構えるミットより高めに意識して、スピンを利かせた150キロ以上で勝負した。 日米共通だが、今永の持ち球スライダー、チェンジアップは変化せずに半速球となれば、一番痛い一発を食らう。それをわかって、まっすぐは大胆に、変化球は低めに、と投球。勝ち星は増えそうだ。(野球評論家・高橋 尚成)
報知新聞社