<キン肉マン>全てが完璧な流れだったラストフェイバリット、これぞ原作を昇華したアニメ化の醍醐味
「週刊プレイボーイ」とWEBサイト「週プレNEWS」で連載中の「キン肉マン」新シリーズをアニメ化した「キン肉マン 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」(毎週日曜深夜11:30-0:00、TBS系ほか)。32年ぶり、1991年~1992年に放送されたテレビシリーズの続編で、新旧ファンの注目が集まる話題作だ。9月1日に放送された第8話「最初で最後の必殺技(フェイバリット)!!」では、アトランティス(CV.間宮康弘)対マーリンマン(CV.尾高慶安)の試合が決着。原作ファンから「完璧超人始祖編」屈指の名シーンと言われるアトランティスのラストフェイバリットに「演出が神がかりすぎ」「朝日を背にしたタワーブリッジが美しすぎる」など反響のコメントが続出した。(以降、ネタバレが含まれます) 【写真】“6を9にする”キン肉バスター返し。キン肉マンの顔が衝撃を語る。第9話先行カットより ■胸アツすぎたアトランティスの最期 前話では死闘を繰り広げた相手ロビンマスクを侮辱されたことに大きな怒りを表し、非道な悪魔超人でありながら超人レスラーとしての熱い魂を見せたアトランティス。しかし、猛攻を仕掛けるもフェイバリットのアトランティス・ドライバーを破られ、マーリンマンの“完刺”スピア・フィッシングに胸を貫かれてしまった。 第8話では、そこから最後の力を振り絞ったアトランティスの執念の反撃が展開。二度目の“完刺”スピア・フィッシングで心臓を貫かれたアトランティスだが、火事場のクソ力ならぬ悪魔のクソ力を発揮して、マーリンマンの体をがっちりホールド。「悪魔のこの俺が最初で最後に決める正義超人の技」と繰り出した技は、ロビンマスクのフェイバリット、タワーブリッジだった。 ただ1人応援していたポール少年の声援を受けて息を吹き返すアトランティス、ポール少年にかけた「悪魔なんぞ応援してたら…ロクな大人にならねえぞ」という粋なセリフ、ロビンマスク戦のオマージュである水面に覗くマーリンマンの頭、アニメオリジナルで挿入されたタワーブリッジの開門とそれをバックに立つアトランティスのタワーブリッジ、消えていく目の光と朝日を背に受けるアトランティスの最後の姿。 全てが完璧な流れで構成された一連のシーンはアニメ化の醍醐味でもあり、SNSでは大反響を呼ぶことに。このシーンが放送されると「原作を昇華した名シーン」「問答無用にカッコイイ」「本当にすごい一戦だった。悪魔超人が好きになりそう」「この技でトドメを刺すの胸アツ」など、視聴者から絶賛のコメントが相次いだ。 ■ヴェールを脱いだ“完恐”ピークア・ブーの実力 アトランティス戦の余韻が冷め止まぬ中、試合の中継は両国国技館で行われているキン肉マン(CV.宮野真守)対ピークア・ブー(CV.石毛翔弥)の一戦に移る。ゼロの状態から試合を通して学習、成長する超人だったピークア・ブーにキン肉マンは次々と技を返されて苦戦。プリンス・カメハメ(CV.神谷明)との苦しい特訓の末に体得した48の殺人技の1つ、超人絞殺刑までも逆発動されてしまう。 ミート(CV.上坂すみれ)はこれ以上技術を吸収されないよう、強力な技を出すのは控えるようにアドバイスを送るが、キン肉マンはかえって意地になり、48の殺人技の中でももっとも得意とするフェイバリット、キン肉バスターを仕掛けにいく。しかし、ピークア・ブーの学習能力と成長速度は驚異的で、かつてバッファローマンがやってのけた6を9にする体勢入れ替えの方法でキン肉バスターを切り返してみせる。 マットへの激突音とミートの叫び声で終わった今話のラスト。SNSには「なんて気になるところで終わるの!!!王子ぃーーーー!」「ムキムキ赤ちゃんのギャップだけで完恐だよ」「ピークア・ブーの腹の顔はなんだ!?」など様々な感想が並ぶことに。次回予告でキン肉マンが48の殺人技の1つ、人間風車を仕掛けていることから両者の攻防はまだ続いている様子。新たな技を出せば相手をさらに強くしてしまう状況で、キン肉マンはどう勝機を見出すのかだろうか。 次回第9話「学べなかった心!!」は9月8日(日)に放送予定。赤ん坊のような完璧超人“完恐”ピークア・ブーに得意中の得意技、キン肉バスターまで返されよもやの苦戦を強いられるキン肉マン。さらにその直後、これまで片言しか発してこなかったピークア・ブーが大人のような会話で応答を始める!? 急成長超人の恐ろしさをまざまざと見せつけるようにキン肉マンの技術をどんどん吸収、最終的にはこの試合中にもそれを上回る実力者へ進化を遂げるであろう彼を止める、有効な手立てはあるのか!? 文:鈴木康道