国分寺種赤米を初収穫 昔ながらの「穂刈り」体験 下條村の杉田さん【長野県】
東京都国分寺市で発見された古代米「武蔵国分寺種赤米」を今年から栽培している長野県下條村睦沢の杉田直木さん(47)宅で1日、初めての収穫作業があり、同市から訪れた関係者とともに「穂刈り」に汗を流した。 武蔵国分寺種赤米は縄文時代にルーツを持つ赤米の原生種。明治期の除去政策によって幻の米となったが、1997年に国分寺市で発見された。東日本では初めての確認となり、同市の地域資源として重要視されている。 下條村での栽培は、同村と国分寺市で2拠点生活を送る杉田さんが、地域間交流の一環として引き受け、武蔵国分寺種を栽培する3団体中、2団体のメンバーが田植えと収穫に関わった。 品種改良を重ねた白米と同じように稲刈りをすると米が地面に落ちてしまうため、赤米は稲穂の部分だけを摘み取る穂刈りを行い、220平方メートルほどの水田から57・8キロを収穫して分け合った。 台風10号接近の影響で倒れた稲もあったものの生育は良く、国分寺赤米会の前澤宏さん(77)=飯田市出身=らは「均等にたくさん実った」と豊作を喜び、根気の必要な穂刈りに精を出した。 国分寺ではカフェが白米に混ぜて炊き、カレーライスなどとして提供する予定。前澤さんは「可能なら飯田下伊那での栽培を増やしたい」と話した。