「イスラエルは反撃決めた」と英外相 自制求める調停外交続く
【カイロ=佐藤貴生】キャメロン英外相は17日、イランの大規模攻撃を受けたイスラエルを訪れ、紛争拡大回避に向けて高官らと協議した。キャメロン氏は、イスラエルがイランに反撃することを決めたとし、「できる限り緊張を激化させない方法」で行うよう望むと述べた。17日にはベーアボック独外相もイスラエルを訪れており、同国に自制を求める調停外交が本格化している。 【写真】キャメロン英外相 イスラエルのネタニヤフ政権は16日もイランへの対応を協議した。米CNN放送(電子版)は、イスラエルはイラン国内に限定的な反撃を行う方向に傾いているとの情報があると伝えた。 イスラエルのカッツ外相は16日、イランのミサイル開発計画に制裁を科すよう求める書簡を32カ国に送ると述べた。イエレン米財務長官も近くイランに新たな経済制裁を科すと表明しており、「イラン包囲網」構築の動きが広がっている。 一方、イランのライシ大統領は16日、国益を脅かすどんなに小さな行動であっても「広範囲の、痛みを伴う反撃」を行うと述べ、攻撃しないようイスラエルに警告した。 ライシ師はまた、プーチン・ロシア大統領との電話会談で、イランがイスラエルに行った攻撃は限定的で、緊張を激化させるつもりはないと述べた。プーチン氏は「中東全体に破滅的な結果」をもたらすとして全当事者に自制を求めた。露大統領府が16日に発表した。 イスラエル軍は16日、隣接するレバノン南部を空爆して親イラン民兵組織「ヒズボラ」の司令官を殺害した。軍はイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ北部でも軍事作戦を始めた。