デュシャンやウォーホル、名和晃平らの作品で「椅子」が持つ多様な意味や象徴性を考察 『アブソリュート・チェアーズ』2月17日から
2024年2月17日(土)より、埼玉県立近代美術館では展覧会『アブソリュート・チェアーズ』が開催される。世界的なデザイン椅子のコレクションで知られる同館が、従来のインテリア展とは異なる視点から挑む、新たな椅子の展覧会だ。 【全ての画像】『アブソリュート・チェアーズ』広報用画像(全6枚) デヴィッド・ボウイの名曲「アブソリュート・ビギナーズ」にちなんだタイトルの「アブソリュート」とは、「絶対的、究極的」の意。これまでも椅子は、多くのデザイナーや建築家の創造性を刺激する絶対的なテーマであったが 、アーティストにとっても魅力的なモチーフとなっている。たとえば椅子は、王座のような権威の象徴や、車椅子のような身体の補助、電気椅子のような死や暴力をもたらす機具と、様々なイメージを持っている。と同時に、1人で腰掛けているのか、それとも誰かと向き合って座っているのかといった座り方で、その人が他者や社会とどう関わっているのかを想像できる。つまり椅子は、社会や身体との密接な関わりの中で幅広い意味や象徴性をまとった、究極の日用品といえるのだ。 同展では、椅子が持つ多様な意味や象徴性を、国内外の平面・立体、映像作品などで考察する。出品作家は、マルセル・デュシャン、フランシス・ベーコン、アンディ・ウォーホルといったレジェンドから、ジム・ランビー、宮永愛子、名和晃平ら今をときめく現代美術家まで、国内外から28組の現代アート約70点が集結。「美術館の座れない椅子」「権力を可視化する椅子」「関係をつくる椅子」など5つの章で、現代アートにおける様々な椅子の表現に着目し、その機能や含意を読み解いていく。 なお会期中は同展に関するトークイベントや、パフォーマンス、ワークショップなど、関連事業も予定されている。興味のある人はぜひ美術館ホームページで確認を。 <開催概要> 『アブソリュート・チェアーズ』 会期:2024年2月17日(土)~5月12日(日) 会場:埼玉県立近代美術館