【50代におすすめの本】週末に読みたい「大ヒット作」
【あわせて読みたい!】『じい散歩』
藤野千夜 双葉文庫 ¥825 北関東の山あいの町で生まれたふたりは、新平が25歳、英子が24歳で結婚した。それから65年。経営する建設会社をたたんだ今は散歩を楽しみ、パソコンも操り、平穏に暮らしていたが、英子は今も夫の浮気を疑っていて……。圧倒的な共感を誘って話題になった傑作シルバー小説。
『増補版 九十歳。何がめでたい』
佐藤愛子 小学館文庫 ¥660 こちらはリアル90代の生活と意見。〈卒寿? ナニがめでてえ!〉〈今は死への序曲なのである〉などとうそぶきつつ、スマホに怒り、テレビに怒り、百貨店のトイレにも怒り。草笛光子の主演で映画化も決定。50代になった娘とのやりとりも抱腹絶倒な、’16年の大ベストセラー。
斎藤美奈子 さいとう みなこ●文芸評論家。編集者を経て’94年『妊娠小説』でデビュー。その後、新聞や雑誌での文芸評論や書評などを執筆。『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』『忖度しません』『挑発する少女小説』ほか著書多数。近著に『出世と恋愛近代文学で読む男と女』(講談社現代新書)。