特殊詐欺、防止に一役 三重・松阪 東部中がポスターやチラシ
朝見公民館の講座、参加増目指し制作
松阪市魚見町の市立東部中学校(中西知子校長、249人)が全校生徒で取り組む探究的学習で1年生のチーム(6人)がこのほど、後を絶たない特殊詐欺を減らすため、校区内の朝見公民館=大宮田町=で同館が実施の「特殊詐欺について」をテーマにした講座の参加者増を目指しポスターやチラシを制作、配布して犯罪抑止の一翼を担った。 同取り組みは生徒たちで課題を設定し、解決に向けて情報を収集、整理、分析、意見交換などをしながら進めていく学習活動の一環。うち1年生は「地域を知ろう」をテーマに探究している。班ごとに分かれて活動しており「公民館」を軸に課題解決に取り組む「公民館チーム」の6人は今年5月、朝見公民館に「地元を盛り上げるために何ができるか」を相談に行った。ここで職員から、同館で開催されるイベントや講座に人が集まらなくて困っていること、次回の講座が高齢者向けの特殊詐欺についての啓発講座であることを聞いた。 生徒たちは、特殊詐欺という言葉に関心を持ち、松阪署の生活安全課の署員を学校に招いて特殊詐欺について学習。署員から、詐欺の手口や、被害額が年間で億を超えることが伝えられると、「この事実をたくさんの人に知ってもらいたい」と思うようになり、自分たちにできることは手作りのチラシやポスターで意識を向けてもらうことだと考えた。そこで、同館で開催される講座案内のチラシと詐欺防止の啓発ポスターを作成した。 チラシはA4サイズに同講座のタイトル、日時、内容をなどを書き、それぞれが自宅近くの民家に約50枚をポスティングした。ポスターは黄色と黒の警告色を使い、大きく「詐欺」などと手書きした2種類と、タブレットでアプリを利用して作成した2種類の合計4種類を用意した。いずれも見やすい色、文字の大きさを何度も話し合って作ったという。 出来上がったポスターは朝見公民館の他、校区内の他五つの公民館にもカラーコピーをして配布している。 池内愛絆さんは「(特殊詐欺について)全然知らなかった。被害金額が大きくてびっくりした。ポスター、チラシを作って特殊詐欺を少なくしていきたい」、小林のぞみさんは「聞いたことはあったけど、こんなに起きているとは知らなかった。(特殊詐欺かなと思ったら)焦らず、まずは相談することが大切だと思った」とそれぞれ話した。