【匠に栄誉】「卓越技能者」表彰 螺鈿(らでん)細工職人や杜氏など 岩手県内から8人
TVIテレビ岩手
優れた技術を持ち、模範になっている人が「卓越技能者」として表彰されました。 全国で注目されている螺鈿(らでん)細工の職人や日本酒の杜氏を務める女性など岩手が誇る匠が栄誉を授かりました。 今年度の「卓越技能者」には県内から8人が選ばれ、19日、岩手県から表彰されました。 盛岡市の螺鈿細工職人・澤井正道さん75歳です。 螺鈿細工はアワビなどの貝殻を木や象牙などに乗せ、漆を塗り磨いていく伝統工芸です。 澤井さんは妻の実家がある宮古市で長年、螺鈿細工の作品を作り続けてきましたが、東日本大震災で工房が被災した後は盛岡に移り住み仕事を再開。 昔ながらの手仕事を貫き、漆の艶と貝の自然な発色が美しい作品を作り続けています。 また、螺鈿細工の技を未来に伝えていくため、娘の夫に技術を伝えています。 澤井正道さん 「今までいろいろなことが起こったが、どうにかやってこられ、それを評価してもらったので心からありがたい。螺鈿のブームがきつつあるので、みなさんに螺鈿のものに親しんでもらって、いろいろな人が螺鈿細工の作り手や使ってもらう人が増えてくれればありがたい」 紫波町の酒蔵で杜氏を務める横沢裕子さん50歳です。 横沢さんは、酒造りの総責任者、杜氏として紫波町産のもち米を使った新たな酒づくりにチャレンジしてきました。 全国新酒鑑評会では、6度金賞を受賞。世界に日本酒の魅力も発信しています。 横沢裕子さん 「まだ早いのではないかと思っていたが、地元に貢献できる酒造り会社でありたいと思うし、世界に向けて日本酒も一生懸命発信しているので、そこの一助になれば」 南部鉄器の職人、佐々木和夫さんは最年長の79歳で「卓越技能者」に選ばれました。 佐々木さんは1972年に盛岡市の工房に入社。 伝統的な技法で南部鉄器をつくりながら、作業効率が上がるよう改善を行ってきました。 佐々木和夫さん 「長い間、こういう仕事をやってこなければできなかったこと。時代とともにカタチが変わっていくし、いち早く取り入れて、現代の生活に馴染むものづくりをしていったら良い」 これからも技術を磨き、後進を育てるため、岩手の匠の精進は続きます。