40秒前のプレイにVARが介入 ジローナの得点は取り消されるべきだったのか? 優勝争いの直接対決を前に手痛いスコアレスドロー
ソシエダと痛み分け
3日、ジローナはホームでレアル・ソシエダと対戦。互いに得点を奪うことはできず、0-0のスコアレスドローに終わった。 この試合で、ジローナの得点が取り消しになった場面が物議を醸している。24分、MFサヴィーニョがペナルティエリア左のゴールライン際からゴール前にボールすくい上げるようにして浮き球のパスを送る。いち早く反応したMFヤンヘル・エレーラがダイビングヘッドで押し込み先制点を奪ったかに見えた。 しかし、この得点にVARが介入。ネットを揺らした約40秒前、ロングボールに反応し、ソシエダの最終ラインの背後に抜け出したサヴィーニョのプレイがオフサイドの判定になり、ゴールが取り消されたのだ。 ジローナのミチェル監督は、この判定に納得がいっていないようだ。スペイン紙『MUNDO DEPORTIVO』が伝えている。 「誰もがゴールだと思った。ポゼッションが変わったプレイが3つあり、VARのミスであることは明らかだ」 争点は、指揮官の言葉にもある「ポゼッションが変わったプレイ」だ。ジローナがネットを揺らした場面からオフサイドと判定された場面までは約40秒。その間に、クロスボールに対するソシエダの選手のクリアが2回、ボール奪取(すぐジローナの選手に取り返された場面)が1回あった。 VARには介入できる範囲が限られており、APP(アタッキング・ポゼッション・フェーズ)という概念がある。どこまで遡って判定するかということだ。一般的に、ポゼッションが変わった場合、VARはポゼッションが変わる前のプレイには介入できない。今回のケースでは、ボールクリアとボール奪取の計3回、ソシエダの選手がボールに触れている場面があるが、“ポゼッションが変わった“とは解釈されず、ジローナの一連の攻撃(APP)が続いていたと判断されたのだ。 DFエリック・ガルシアもこの判定には疑問を抱いている。スペイン紙『as』が伝えた。 「40秒が経過し、(ソシエダの選手が)ボールにも触れているのだからそこまで(オフサイドの場面まで)遡れるかどうかわからない。こういった疑問は僕たちにもわからないし、誰も答えを教えてくれない。たまたま今日、それが僕たちに当てはまっただけだ」 ジローナは次節、レアル・マドリードとの大一番を迎える。優勝争いの直接対決を前に、手痛い勝ち点1となった。
構成/ザ・ワールド編集部