共栄学園が19大会ぶりV、屈し続けた「大きな壁」に雪辱 春の高校バレー
共栄学園が「大きな壁」を打ち破った。12日に行われた第77回全日本バレーボール高校選手権(産経新聞社など主催)で、昨年11月の東京大会で敗れた下北沢成徳に雪辱し、19大会ぶりの日本一。35得点で勝利を牽引(けんいん)した秋本美空(みく)主将(3年)は「悔しい結果でこの春高にきた。最後にいい形で終わることができてうれしい」とセンターコートに笑顔を咲かせた。 【写真】応援席で観戦していた母・大友愛さんへガッツポーズをする共栄学園の秋本美空 このチームでは実に7度目の対戦。直近は4連敗中だったが、「自分たちができることを最大限に出して、リベンジしようと試合に臨んだ」とアタッカーの宇都木乃愛(のあ、3年)。屈し続けた東京のライバル相手に気負いはなかった。 「とにかく命がけでつないで美空に上げよう」と守備力の高い木村響稀(ひびき、3年)らが拾い、つなぎ、最高到達点301センチの大エースに託した。秋本の3連続得点から始まった第1セットを大差で奪うと、第2セットは15-16から強打とブロックで4連続得点。接戦の第3セットは宇都木や木村も奮闘した。 日本代表にも選ばれた秋本を擁し、「強い代」という周囲の期待と裏腹に頂点は縁遠かった。チームが変わったのは、昨年6月の東京都予選。全国高校総体の出場を逃し、「最後は何が何でもやり切ろう」(木村)と甘さを捨て、練習から高め合ってきた成果を発揮した。 初戦で涙をのんだ前回大会から1年。選手とともに重圧を背負ってきた中村文哉監督の目には光るものがあった。「一番いい席で成長を見せてもらいました」。やっとの思いでつかんだ日本一は格別だった。(川峯千尋)