実は好待遇? 倍率約250倍の「バイトAKB」はなぜ人気?
アイドルグループ「AKB48」のメンバーをアルバイトとして募集する「バイトAKB」の最終合格内定者53人が決定した。「バイトAKB」は、「AKB48」の運営会社である株式会社AKSと時給1000円でアルバイト契約を結び、「AKB48」の一員としてライブや握手会などのイベント、テレビやCMへの出演などの活動を行うというもの。 ■時給1000円に一部で批判の声も… 企画の発表当初は、インターネット上を中心に「安すぎる」、「アイドルって夢が無いね、時給で働くとか」などと一部で批判的な声もあったが、ふたを開けてみれば1万3246人もの応募が集まり、倍率は約250倍にも及ぶなど多くの希望者が集まることとなった。 ■“裏テーマ”はバイトを通じたアイドル志願者への新たな門戸解放 アルバイトとはいえ、今をときめく人気アイドルグループの一員になれるという魅力は当然あるのだろうが、予想以上に応募が殺到した今回の「バイトAKB」プロジェクトについて、3年連続で「AKB48総選挙 公式ガイドブック」で論客も務める芸能評論家の三杉武氏はこう分析する。 「当初、『時給1000円』という部分だけがやたらと注目された観がありますが、そもそも今回の企画は、“アルバイト”という形式をとりつつ、実際には“アイドルになってはみたいけど、普段の生活や学業との両立などの諸事情との兼ね合いもあり、正式な『AKB48』のメンバーとなると荷が重いといった人たちにも夢をかなえるチャンスを与えたり、門戸を開放する”という斬新な裏テーマが潜んでいると思っています。そうした魅力も、応募が殺到した大きな理由じゃないでしょうか」。 ■“アイドルブーム”の裏で彼女たちを取り巻く厳しい実情 アイドル一本で生きていくとなると、その道はかなり険しい。仮にそれなりの魅力や才能があり、必死に頑張ったとしても、普段の生活や自身の置かれた環境、対外的な事情のため、夢半ばにしてあきらめざるを得ないケースも多々ある。芸能プロダクションのマネジャーは語る。 「こちらが『このコは絶対に売れる!』と思ってスカウトし、本人にやる気があっても、いざ契約となると、親御さんに反対されたり、お金の問題で断念するコは多いです。ブレークしたらそれなりの給料は払いますけど、芽が出るまでは収入の保証なんかできません。売り出すためのプロモーションにだってお金がかかるし、レッスン費だって馬鹿になりません。デビューした後も、メイク代や衣装代、マネジャーなどの人件費なんかを考えれば、ある程度売れるまでこちらは赤字続きなわけですし…」。