なぜ「有罪」でも選挙に出ることができる? “獄中”立候補も可能な「法の仕組み」と「出馬」の狙いとは
選挙の結果で動きがある可能性も指摘
その上で三葛弁護士は、選挙の結果を受け、秋元氏が法廷闘争で動く可能性を指摘した。「仮に選挙で負ければ、上告を取り下げる可能性はあるでしょうね。早めに刑を確定させる。そうなると自動的に公民権停止になり、早めに復権できます」 公民権は国または地方公共団体の公務に参与する権利のこと。これが停止されると選挙における立候補ができなくなる。それゆえ、政治家にとっては「死刑宣告」ともいわれている。あえて、その選択をする意味はなんなのか。三葛弁護士が補足する。 「公民権が停止される期間は5年間。裁判を闘い続け、もしも結果が芳しくなかった場合を考えると、選挙活動を再開できる時期がそれだけずれ込んでしまう。ならば少しでも早い段階で停止になっておいた方がいいという判断もありえます。ただ、ファイティングポーズとは矛盾するため、陣営としても悩ましい判断になります」 身の潔白に自信があるからこその有罪出馬。秋元氏出馬の選挙区の有権者は、いつも以上に厳しい姿勢で、投票にのぞむことになりそうだ。注目の衆院東京15区(東京都江東区)補選は4月28日に投票日を迎える。
弁護士JP編集部