「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか！」第7話より

原田泰造が主演を務めるドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか！」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)の第7話が、2月17日に放送された。誠(原田)が息子・翔(城桧吏)に、アップデートが足らずにズレた言葉をかけるようすが描かれた。翔の気持ちを思いとやるせなくなったが、がんばっている誠を応援したい気持ちにさせられた。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】ギャル3人衆を引き連れて歩く城桧吏“翔” ■偏見だらけの“おっさん”が古い常識のアップデートに奮闘 同作は、練馬ジムの同名漫画が原作のホームコメディー。「男は男らしくあるべき！」という古い価値観を持つ沖田誠(原田)は、家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのない言動で会社の部下からも敬遠されている。 そんな偏見だらけの“おっさん”である誠に、二回り以上年下のゲイの友達ができたことで、これまでの古い常識がアップデートされていく。愛する家族のため、そして、周囲の愛すべき仲間たちのため、 誠の奮闘劇が始まる。 物語を導くゲイの青年・五十嵐大地役をFANTASTICS・中島颯太が演じる他、誠の息子でアップデートのきっかけとなる一言を誠にぶつける息子・沖田翔役を城桧吏が、デリカシーのない誠に反発する大学生の娘・沖田萌役を大原梓が務める。 また、昭和世代からは、大地の母親・五十嵐美穂子役に松下由樹、堅苦しい夫を半ば諦めていた妻・沖田美香役に富田靖子と演技派2人がそろい、大人の女性目線からも昭和のダメオヤジを叱咤(しった)激励する。 ■翔はようやく“自分のやりたいこと”を見つける 昭和生まれの51才・沖田誠はそのデリカシーのない言動のせいで家族や会社の部下たち、さらには愛犬のカルロス(こまち)にまで嫌われていた。ある日、誠は引きこもっている息子・翔の部屋にいる五十嵐大地がゲイであることを知り、思わず翔の部屋に入って大地を否定してしまう。そんな誠に対して、翔は「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない！」と冷たく言い放つ。 家族のために頑張ってきたつもりの誠だったが、何をどうすればいいのかすら分からない。そんな苦悩を抱える誠に大地が声を掛け、大地との交流によって誠は意識を変える決心をする。 翔は、同級生のメーク女子・香梨奈(並木彩華)のお陰で、ようやく“自分のやりたいこと”を見つけることが出来た。それはメークアップアーティストへの道。 放課後に同級生のギャルたちとメークの買い物に出かけたり、香梨奈とメーク談義したり、楽しく過ごす翔。 ある日、誠と美香は翔が香梨奈と一緒にいるところを見かけて声をかける。 ■翔「そういうふうに決めつけられると苦しくなる」 誠は以前見かけた野球部の長谷川(坂上翔麻)と香梨奈と、どちらが翔とより親密なのか気になる。「翔、父さんは翔が誰を好きでもいいと思う」と唐突に誠が言うと、「え？」と驚く翔に対して、誠に同意するように美香も頷いて見せる。「え、好きって、誰が誰を？」と翔が尋ねると、「だから、お前がさっきの子を」と誠。「公園の男の子かも」と美香が誠をフォローするように言い、誠は長谷川と翔がいるところを見かけたことを話す。 翔は「どうして、誰かと仲良くしてるとすぐに好きとかつき合ってるとか考えるの？そういうふうに決めつけられると苦しくなる」という。美香が慌てて「翔ごめん」というが、「嫌いなんだよ、誰狙いとか誰が好みとか、かわいいとかかわいくないとか。誰かのことを物みたいにいう。そういうこという人ってきっと僕のこと…そんなの窮屈過ぎる。もうほっといてよ」と言い放って、翔は家に入って部屋にこもってしまう。 誠と美香は後悔しながら立ち尽くし、誠は「翔が学校に行けない理由は学校だけにあると思っていた自分を、殴ってやりたい」と思うのだった。 翔の気持ちが伝わってきてやるせない思いになるが、頑張ってアップデートして翔を理解しようとしている誠を応援したくなった。 ◆構成・文＝牧島史佳