Windowsの完全クラウド化を実現する「Windows 365 Link」 - 阿久津良和のWindows Weekly Report
ただ、Windows 365を使用するにはいくつかの要件が控えている。組織で運用するMicrosoft Entra IDとMicrosoft Intuneによる管理環境が必須となり、個人ユーザーが導入するにはハードルが高い。要件条項ではないが、安定かつ高速なネットワーク接続環境も必要になるはずだ。Windows 365 Linkは魅力的ながらも、個人ユーザーが気軽に購入するデバイスではない。 しかし、本体は120×120×30ミリと実にコンパクト。Surfaceブランドを付与していないのは気になるものの、MicrosoftはOEMエコシステムパートナーと連携して、Windows 365 Linkに代表されるクラウドPCデバイスの拡張を目指すという。 筆者は以前からWindowsの完全クラウド化を愚見してきたが、その取り組みを一歩進めた形となる。大半のアプリ・サービスがSaaS化し、DaaSが普及する昨今の状況を踏まえると、個人ユーザー向けのWindows 365およびWindows 365 Linkの登場にも期待したい。 ■ 著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。
阿久津良和