黒部湖遊覧船 11月終了 客数減・老朽化原因、55年の歴史に幕
黒部ダムの建設で誕生した「黒部湖」を巡る遊覧船が本年度で営業を終え、55年の歴史に幕を閉じる。エメラルドグリーンの湖面や周囲の景色を楽しめる船として人気を集めたが、観光ニーズの多様化で客数が減少した。運航する関電アメニックス(大阪市)が27日、国土交通省北陸信越運輸局に事業廃止を届け出た。 遊覧船は1969年にスタート。初代の「黒部丸」は99年まで運航し、2000年から2代目の「ガルベ」が引き継いだ。毎年6~11月に、1日7~8便運航している。 ピーク時の03年には、国内旅行人気の高まりで乗船客は5万4500人に達した。近年は団体旅行が減少。23年度は約3分の1となる1万8400人にとどまった。船の老朽化も重なり、事業継続を断念した。 本年度は6月1日から11月10日まで営業する。ラストイヤーキャンペーンとして、記念商品の販売や乗船記念カードの贈呈などを予定している。関電アメニックスの窪田耕平くろよん観光事業部長は「営業終了まで楽しんでもらえるよう努めたい」と話す。