新千円札の図柄「神奈川沖浪裏」登場 岡山県立美術館で開催中の特別展「北斎と広重」冨嶽三十六景全46図勢ぞろい
江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」シリーズの一つ「神奈川沖浪裏」が14日、岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開催中の特別展「北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦」に登場した。新千円札の図柄に採用された傑作。同シリーズの全46図が勢ぞろいし、待ちかねたファンらが続々と詰めかけた。 【動画】注目を集める「神奈川沖浪裏」 「神奈川沖浪裏」は、船をのみ込むほど高くせり上がる大波と、奥に鎮座する富士山をダイナミックな構図、色彩で表現。出版時評判となり、36図の完成後10図が追加された「冨嶽三十六景」の中でも屈指の人気を誇る。訪れた人たちは、時を超え伝わった名作の前で足を止め、熱い視線を送っていた。 団体職員の女性(50)=同市東区=は「本物を初めて見ることができた。しぶきの繊細な描写と、今にも動き出しそうな波の迫力に感動した」と話していた。 同展は、江戸東京博物館所蔵の計213件を展観。北斎と「東海道五拾三次之内」で知られる歌川広重の軌跡をたどる。山陽新聞社など主催。7月7日まで。一部展示替えのため、全46図がそろうのは6月30日まで。