京都国際、圧巻の打撃で春夏連続! 今年3度目の京都外大西との決勝対決を制す【24年夏・京都大会】
<第106回全国高校野球選手権京都大会:京都国際14-3京都外大西>◇28日◇決勝◇わかさスタジアム京都 京都国際が京都外大西とのセンバツ出場校対決を制して、2年ぶり3回目の夏の甲子園出場を決めた。 【トーナメント表】京都大会 決勝までの結果一覧 序盤から相手を圧倒した準決勝の龍谷大平安戦同様に京都国際が初回から試合を優位に進める。 1回裏、一死二、三塁から野選で1点を先制すると、一死一、三塁から5番・奥井颯大(3年)の右犠飛で1点を加え、いきなり2点のリードを奪った。 さらに2回裏には相手の失策や4番・藤本陽毅(3年)の右越え2点適時三塁打などで6点を追加。小牧憲継監督によると、準決勝、決勝でバットが振れるように練習量を調整してきたそうで、その成果が見事に発揮された。 大量リードを奪った後も「何が起きるかわからないですし、相手(の集中力)が切れるまで、勝っていても攻め切る野球を練習でもしてきました」(藤本)と攻撃の手を緩めることなく、終わってみれば17安打14得点。2試合連続で先発全員安打を達成した。 先発を任せたのはエース左腕の中崎琉生(3年)。2回までは順調に抑えていたが、3回表には3安打を浴びて3点を返される。だが、そこからの投球が見事だった。 「チェンジアップを多投することによって、体の開きが早くなってきている」と宮村貴大部長から指摘を受け、打順が回ってこなかった4回裏の攻撃中にブルペンで修正。「体が開かないことによって、ボールの力も生まれました」と5回から8回まではバントヒットによる1安打しか許さなかった。 9回には2安打を浴びるも無失点に抑え、8安打1死球3失点で完投。センバツまで主将を務めた大黒柱が胴上げ投手になった。 この2校は3季連続で決勝を戦っており、秋は京都外大西、春は京都国際がそれぞれ勝利していたが、最後の夏は京都国際が圧勝。大会を通じても準々決勝から3試合連続で2ケタ得点と強さが際立つ勝ち上がりとなった。 「近畿大会で優勝して、春のセンバツも出場していますし、プレッシャーの中での今大会でした。嬉しいという気持ちももちろんあるんですけど、ホッとした気持ちが一番大きいです」と話した主将の藤本。ライバルから追われる立場の中で前評判通りの強さを見せつけた。 藤本は準決勝、決勝の2試合で8打数7安打9打点と大活躍。「自分が主軸となって甲子園を決めるという気持ちで今大会に挑んだので、まずはそれが達成できて良かったです」と胸を張った。 今年のチームは練習熱心な選手が多く、「放っておいても練習する子たち。藤本を中心にもっと上手くなろうと自分たちで考えてできる子なので、僕は何も言っていないです」と小牧監督は言う。京都国際は5年連続で高卒プロ野球選手を輩出。先輩の背中を見て、後輩が刺激を受け、自分たちで意識を高められるという好循環になっている。この流れが続く限り、低迷することはなさそうだ。 甲子園での目標は3年前の4強を上回ること。投手力、攻撃力、守備力全てで高いレベルにあり、優勝候補の一角に食い込んできてもおかしくない。2季連続の甲子園でどのような戦いを見せてくれるだろうか。