環境省、マイク音切ったと認める 水俣病被害者側に謝罪へ
水俣病の被害者側と伊藤信太郎環境相の懇談の場で被害者側の発言が制止された問題で、環境省は7日、団体側の発言中に持ち時間の3分を経過したため、発言者2人のマイクの音を切ったと認めた。水俣病対策を担当する特殊疾病対策室長が8日に被害者側に謝罪する方針を明らかにした。伊藤環境相から謝罪の指示があったという。 【写真】「怨」と書かれた旗が立つ。水俣病第1次訴訟判決時に熊本地裁前で開かれた「水俣病を告発する会」の集会=1973年3月20日
林芳正官房長官は7日の記者会見で「関係者の意見を丁寧に聞く重要な機会に、不快な気持ちにさせてしまい適切だったとは言えない」とした。 懇談の司会を担当した木内哲平室長は7日、記者団に対し、マイクの運用について事前にアナウンスする予定だったが「読み飛ばした」と説明。発言中に音を切る行為は「不信感を与え、不適切だった」と述べた。今後の懇談については「円滑な運営を検討する」と述べるにとどめた。伊藤環境相の謝罪は現時点では予定していないという。 木内室長によると、マイクの運用は昨年を踏襲。昨年も一定時間を超過すればマイクを切る運用としていたが、実際に音を切ることはなかったという。