【山口県】[周南市]街路樹の根で住宅損傷? 市はコンサルの調査結果で反論
山口県周南市緑町の市道で、車道沿いに植えられているイチョウの根が歩道を越えて住宅の地下に入り込んで、駐車スペースにひび割れができ、門柱も傾く事態が起きている。イチョウの根の侵入が原因と見られているが、街路樹を管理する市公園花とみどり課がコンサルタントの調査結果から街路樹の根が原因ではないと主張し、根が原因とする証明を住民に求めた。住民は「市民ファーストで対応してほしい」として、責任の所在を早く認めて、速やかに補修して欲しいと求めている。 この住宅に住む村田博治さん(78)は2008年に東京からUターンして住宅はその際にリフォームし、10年前には壁の塗り替えもした。 街路樹の根の問題は2022年から発生し、昨年1月には同課の職員が見に来て3月に市から依頼された業者が歩道を掘削した。大きな根が見つかり、根を切るとともに下水管も根のために壊れていて取り換えた。10月にも自宅前など近くを掘り返して深さ90センチと70センチのところで3本ずつが見つかり、根切りをした。
並行して市は8月から建設コンサルタントに調査を依頼し、11月に住宅損傷の原因は経年劣化による建物の耐久力の低下や、地盤・基礎の鎮下などとするコンサルタントの調査結果をもとに「街路樹の影響で住宅に損傷を与えたとは考えづらい」とする結論を村田さんに伝えた。 このため、村田さんは2月に自費で、ひびが入っている駐車スペースの一部を掘削してみたところ、太い根っ子が見つかり、同課の担当者にも見てもらった。それでも同課は街路樹の根が住宅損傷の原因ではないという見方を変えていない。 同課によると、イチョウの根は枝張りの半径の3倍にまで伸び、今回の街路樹の場合は9メートルほど先まで伸びている可能性があるが、街路樹の根による住宅損傷の苦情は今回が初めてという。村田さんは「他の人はがまんして黙っているのではないか」と話し、「職員の市民を愚弄する言動、横柄な態度の文面による謝罪」も求めている。 取材に対し、同課ではコンサルタント会社に調査を依頼した理由として「原因が市役所の技術者ではわからないため、コンサルタントの意見を参考にした」と話す。住宅が損傷して困っている市民に対し「責任がない」とだけ主張する市役所職員。これで「市民に寄り添う」市政と言えるのかが問われそうだ。