【カペラS回顧】テイエムトッキュウがマイペース逃げで重賞V 判定はハイペースも前残りの展開
1、2着は展開次第でいつでも好走可能
勝ったテイエムトッキュウはマイペースで行けたことで、展開を味方につけた。3馬身ちぎるほどの力の差があったわけではなさそうだ。しかし、逃げ馬が展開にハマるのは差し馬のそれとは違い、組み合わせ次第であり、頻度が高い。なにより自身で演出できる強みがある。次も展開を味方につける可能性は十分あり、ライバルたちとのダッシュ力を比べ、ジャッジしたい。 テイエムトッキュウといえば、1999年カブトヤマ記念を勝ったテイエムトッキューを想像するオールドファンもいるだろう。「ウ」と音引きが違うため、正確には二代目とはいえないものの、響きはどこか懐かしい。ちょっとした巡りも競馬の面白さ。ぜひ、末永く競馬と付き合っていただきたい。 2着チェイスザドリームは10番人気。こちらもテイエムトッキュウのマイペースを利用し、残ることができた。番手で競馬できる分、崩れも少なく、近況も0.8、0.3差と着順ほど悪くない走りをしていた。馬券を買う側がハイペース、差し馬台頭といった近年のカペラSに引っ張られ、盲点だった。そこまで厳しくならないと踏めば、買えない馬ではなかった。テイエムトッキュウと同じく組み合わせ次第で、いつでも好走するだろう。 3着メタマックスは中団の前、隊列のポケットで上手く流れに乗った。差し馬で上位に来られるのはここまで。勝ち馬とは5馬身も差があり、この着順を鵜呑みにできない。とはいえ、前走1400mを逃げ切ってオープン入りしたばかりの3歳馬で、まだまだ強くなる。昇級初戦の重賞で最後にしっかり脚を使えたのはむしろ収穫だ。ペースに慣れれば、位置もとれるようになりそうだ。 1番人気リュウノユキナは4着。2年連続2着、それもハイペースを踏ん張る強い競馬でのものだけに、今回は三度目の正直かとみられたが、最後は伸びそうで伸びなかった。チェイスザドリームの背後から運んだだけに、ちょっと物足りない。さすがに8歳ともなると、JRAのスプリント戦は厳しいのかもしれない。今後は地方交流で注目しよう。ダートの一線級は簡単には衰えず、この4着で見限るには早い。
勝木淳