センバツ2022 準々決勝 星稜、試合ごとに成長 あと一歩、4強ならず /石川
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は第9日の28日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝4試合があり、星稜は同校初のセンバツ4強入りを目指して国学院久我山(東京)と対戦し、2―4で惜敗した。アルプススタンドからは、熱戦を繰り広げた選手たちに大きな拍手が送られた。【深尾昭寛、山口敬人、浅野翔太郎】 この日の先発は、1回戦の継投で勝利に貢献した武内。一回から四死球で走者を出したものの安打は許さず、スコアボードには「0」が並んだ。 お互いに得点を挙げられずに迎えた四回、星稜打線が相手投手を捉える。2死一塁の場面で荒木がバットを振り抜くと長打に。敵失も絡み待望の先制点がもたらされた。父克幸さん(45)は「1、2回戦と打ってなかったので1本出て良かった。ナイスバッティング」とニッコリ。アルプススタンドが盛り上がる中、後続の津沢も鋭い打球を放ち、追加点を入れた。 2点差をつけた五回、武内がこの日初めて許した安打で、四球で出した走者が生還。継投したマーガードも2点本塁打を浴びるなど、この回で4点を奪われて逆転された。マーガードはその後、相手打線に得点させず、打線も九回2死一、三塁の好機を作ったが、最後は力尽きた。 試合終了後、アルプススタンドの前で整列する選手たちに大きな拍手が湧き起こった。チアリーダー部の水口友梨部長(17)は「良い試合ばかり見せてもらった。(甲子園に)連れてきてくれてありがとう」と感謝した。 今大会で退任する林和成監督は試合後に「選手たちが頑張り、伸びていってくれた。コロナ(の影響)もあり、雪も多かった中で甲子園で3試合もできた。子供たちの秘めた力はすごいなと改めて思った」と語り「幸せな野球人生だ。現役生や卒業生に本当に良い経験をさせてもらった」と述べ、球場を後にした。 ◇スティックバルーンで“声援” ○…アルプススタンドには生徒や保護者ら約600人が駆けつけ、選手たちを応援した。陸上競技部の女子主将、酢谷羽瑠菜(すだにはるな)さん(17)は「同級生が甲子園で試合をしている姿は刺激になります」と話し、スティックバルーンをたたいて熱心に応援していた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇夏こそ、真のエースに マーガード真偉輝キアン投手(3年) 五回、相手打線に1点を奪われた場面で先発の武内からマウンドを託された。「チームに勇気を与えられるように」と臨んだが、逆転を許した。 昨夏以降、走り込みで体力を付け、投球フォームを見直してエースとして成長。昨秋の北信越大会では準々決勝、準決勝で連続完投し、チームの準優勝に貢献した。冬にも鍛錬を積み、臨んだ今大会だった。 天理(奈良)との1回戦(22日)では、林和成監督が「私が見た中で1、2番の投球をしてくれた」という内容で勝利に貢献。大垣日大(岐阜)との2回戦(27日)でもチームを準々決勝に導いた。 今回の甲子園を振り返り「今日は1球の怖さを学んだ。3試合を通じては自分を成長させてくれる場所と思った」と話し「夏はもっと成長した姿を見せたい」と力強く語った。【深尾昭寛】