“八村騒動”に動じずホーバス監督が再出発を白星で飾る「勝ててうれしい」采配も的中
◇バスケットボール男子25年アジア杯予選 日本93ー75モンゴル(2024年11月21日 日環アリーナ栃木) 【写真】<日本・モンゴル>試合を見つめる渡辺(中央) C組で世界ランク21位の日本代表がホームで同108位のモンゴルに93―75で快勝した。28年ロサンゼルス五輪を見据えて契約延長したトム・ホーバス監督(57)はパリ五輪後の初戦を白星発進。今回の活動に参加していないNBAレーカーズの八村塁(26)が日本協会批判を展開して波紋が広がる中、チームは目の前の戦いに集中した。24日のアウェー・グアム戦に勝てば2試合を残して本戦切符を手にする。 日本バスケ界を混乱に陥れた騒動の余波が冷めやらぬ中、日本代表がロス五輪への再出発を白星で飾った。八村の批判の矛先となったホーバス監督の采配が的中。故障者による追加招集ながら先発に抜てきした西田が7本の3点シュートを決めてチーム最多21得点を挙げれば、主将に任命した比江島も18得点と躍動した。指揮官は「勝ててうれしい」と笑顔。中村、大浦ら新戦力は空回りしたが「ヘッドダウンすることはない。この経験は必要」と若手が経験を積めた収穫を強調した。 爆弾発言は8日前。13日のNBAの試合後に八村が日本協会の強化方針を批判した。コーチ選定にも言及し「日本代表にふさわしい、男子のことを分かっている、そういう人がコーチになってほしかった」と指摘。名指しはなかったが、男子の指導経験のないまま就任したホーバス監督を指すのは明白だった。 試合前日練習では報道陣に対して、監督、選手への八村発言に関する質問が禁止される異例の措置が敷かれた。渡辺事務総長は現体制をバックアップする方針を強調した上で「大変複雑な気持ちだと思う」と心情をおもんばかっていた。 NBA選手が参加する可能性のある次の代表活動は27年W杯。渡辺事務総長は「時間的な猶予はある」と2人の関係修復に全力を注ぐ構えだ。八村にコーチ選定の正当性を認めさせて事態を好転させるには、勝利を積み重ねることが不可欠。今後も波乱含みの展開が予想される中、まずはコート上ではしっかりと格下を退けた。中2日で迎えるグアム戦に勝てばアジア杯本戦切符を獲得。指揮官は「グアム戦に集中していこう」と自身に言い聞かせるように語った。