村上春樹原作の叶わぬ恋の物語を新たなスタイルで。KAATが挑む日英国際共同制作『品川猿の告白』
『品川猿の告白』あらすじ&スタッフコメント
【あらすじ】 ある旅行者が日本の山奥にある寂れた旅館で、温泉の番をしている猿と出会い驚愕する。そして猿が人の言葉を話すと、さらに驚いた。背中を洗ってもらいながら会話が始まり、猿は品川猿と名乗る。その後、ホテルの客室に戻りビールとスナックを楽しみながら、猿がどのようにして「人間の言葉」を習得し、ブルックナーやリヒャルト・シュトラウスの音楽を鑑賞するようになったか、そして今、衝撃的な告白をしようとしている。一方、東京では、若い女性が自分の名前を忘れ、深刻なアイデンティティの危機に陥る。そして二つの物語が絡み合う。 ■原案・構成・演出 マシュー・レントン コメント(2024年度ラインアップ発表会より) こんにちは、皆さん。劇団ヴァニシング・ポイント芸術監督、マシュー・レントンです。今回、KAAT 神奈川芸術劇場と共同制作する『品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey』は、村上春樹さんが約14 年離れて書かれた「品川猿の告白」と「品川猿」という二つの物語で構成されています。1999年、私が青年時代に「スプートニクの恋人」を読んで以来、大ファンである村上さんの二つの物語をまとめて、彼の世界を掘り下げることができることに興奮しています。そして、スコットランドと日本のパフォーマーやアーティストが集まり、本当にユニークで美しく面白い作品を創作できる機会だと信じています。村上さんの小説は、私たち全員にとって非常に普遍的な方法で語られていると思います。そして、私たちが彼の物語を正しく表現できることを願っています。 ■KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督 長塚圭史コメント 村上春樹氏の短編「品川猿」「品川猿の告白」を、世界を股にかけて活動を続けるスコットランドの劇団ヴァニシング・ポイントがKAAT神奈川芸術劇場と共に驚くほどマジカルに舞台化します。彼らの作品を初めて見た時、私はすっかり心を鷲掴みにされました。2022年から両国を行き交い着々と準備を進めているこの企画は、KAATが本格的に挑む初めての国際共同制作プロジェクトです。本作はもちろん世界ツアーを予定。サスペンス要素たっぷりのスリリングな物語、深層心理に迫るライティング、緻密なサウンド構成、人形遣いと共に生み出す全く新しいキャラクター品川猿、そして着実にチームとして動き始めているスコットランドと日本の混合キャスト。小説から演劇へと立体化される全く新しい脚色で、皆様をお迎えします。 シーズンチケット<1期>チケット(全席指定・税込):13,700円 対象作品 1. KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース 『リア王の悲劇』 作:W. シェイクスピア 翻訳:河合祥一郎 演出:藤田俊太郎 出演:木場勝己、水夏希、森尾舞、土井ケイト、石母田史朗、章平、原田真絢、新川將人、二反田雅澄、塚本幸男、伊原剛志ほか 2024年9月16日(月・祝)~2024年10月3日(木) 会場:KAAT 神奈川芸術劇場<ホール内特設会場> 2. 日英国際共同制作 KAAT × Vanishing Point 『品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey』 原作:村上春樹(短編「品川猿」「品川猿の告白」より) 原案・構成・演出:マシュー・レントン 演出協力:サンディ・グライアソン 脚色:サンディ・グライアソン、マシュー・レントン 翻訳・ドラマトゥルク:阿部のぞみ 出演:那須凜、サンディ・グライアソン、伊達暁、エリシア・ダリ、田中佑弥、サム・ストップフォード、家納ジュンコ、アイシャ・グッドマン、エイリー・コーエン(人形遣い) プレビュー公演:2024年11月28日(木) 本公演:2024年11月29日(金)~2024年12月8日(日) 会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>