五輪設定記録突破者出ず 瀬古利彦氏「五輪目指す人は力入って空回りした」 代表権持つ大迫傑に期待
「東京マラソン」(3日、東京都庁~東京駅前) 今夏のパリ五輪代表の男子の最終選考会を兼ねて行われ、22年世界選手権代表の西山雄介(29)=トヨタ自動車=が2時間6分31秒で日本勢トップの9位となったが、MGCファイナル設定記録(2時間5分50秒)は突破できず、パリ五輪代表入りは逃した。この結果により、昨秋のMGCで3位だった大迫傑(ナイキ)が2大会連続の五輪代表に内定した。 【写真】不安定だったペースメーカー 鈴木健吾が指摘「常に設定タイムで行ってほしい」先頭集団は3人とも30キロまで持たず ファイナルチャレンジでは設定記録の突破者が出なかったが、日本陸連の瀬古利彦・ロードランニングコミッションリーダーは「残念ながら(設定記録を)切る人は現れませんでした。しかし全員がオリンピックを目指して頑張ってきたことは評価してあげたい」と総括。「速いペースでいくという(日本勢が)なかなかできない経験を今回はできたが、人間ですから、記録を狙うと肩に力が入って思うように走れないということが今回のことでよくわかった。(2月の)大阪も、東京も、五輪を目指す人は全員が力が入っちゃって、空回りというか、五輪って難しいんだなと思いました」と所感を述べた。 これで男子の五輪代表3人が出そろった。瀬古氏は「MGCで1番、2番の小山くん、赤崎くん、3人目は誰かわかりませんけども、彼は返事するかわかりませんが」と現時点で代表権を持つ大迫を想定した上で、「大迫は大学の後輩ですから、彼には出てほしい。やっぱり五輪経験者が彼しかいないので、(あとの)2人にはアドバイスできるのは大迫しかいない」と期待を込めた。