【セルジオ越後】格下のバーレーン相手に3得点は少なすぎる。横からの攻撃に脆く、まだ完封勝利がないのも気になるね【アジア杯】
5、6点は取れる内容だった
アジアカップのラウンド16・バーレーン戦で、日本は3-1で勝利。準々決勝に進出した。 両国の実力からみても、予想通りの展開になった。FIFAランキングでは、日本の17位に対してバーレーンは86位。グループステージ最終節で勝利した同146位のインドネシアに続き、明らかに格下だった。 相手は攻撃の形がなかなか見えなかった。190センチを超える長身フォワードのアブドゥラ・ユスフは、冨安と板倉に抑えられていたし、サイドのアタッカーも破壊力がなかった。日本のプレスに対応しきれず、徐々に圧力が弱くなっていったね。 森保ジャパンにとっては勝って当たり前のレベルの相手で、3得点では少なすぎ。5、6点は取れる内容だった。堂安や上田のゴールは見事だったけど、得点機を活かせなかった場面にも注目するべきだろう。 この試合で特に目立っていたのは堂安。先制点以外にも効果的な攻撃ができていたし、守備でもチームに貢献していた。怪我のため欠場が続き、68分からの投入で今大会初めて出場した三笘も、動きは良かった。スタメンで90分間、同じレベルのプレーができればいいね。 守備では、セットプレーから失点を喫した。今大会、まだ完封勝利がないのが気になる。縦からの攻撃に対してはしっかりと守れているものの、横からの攻めに脆いように見える。特に、ここまで左サイドを起点にした攻撃からゴールを割られているゲームが多く、格下相手に複数得点できる試合なら勝敗に直結しないけど、強豪が相手ならば命取りになりかねない。 バーレーンを含めた中東諸国とは戦いにくいという意見もあるようだね。バーレーンはイラン、カタール、サウジアラビアと比べると力が劣るし、同じ中東でも、それぞれレベルが異なるので、今回の勝利で中東を攻略したと思うのは危険だ。 いよいよベスト8、頂点まであと3勝だ。中2日での連戦となるトーナメントで、スタメンの11人だけで勝ち上がるのは不可能。堂安や三笘ら先発の機会が少ない選手の出来も、ポイントになってくるだろう。 大会を通じ、韓国やカタールなど、優勝候補が順当に勝ち上がってきている。2試合続けて楽な試合になった日本だが、準々決勝以降は根比べになってくる。まずは守備で、無失点に抑える意識を持って戦ってほしいね。 【著者プロフィール】 セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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