育児中ストレス、腸内環境と関連 母親調査、京大
乳幼児を育てている母親の腸内環境を調べた結果、育児ストレスが高いと、低い場合と比べて腸内細菌の多様性が低く、乱れている状態であることが分かったと、京都大の明和政子教授(神経科学)らのチームは28日までに国際科学誌に発表した。腸内環境が良いと、ストレスから回復する能力も高い傾向にあったという。 近年の研究で、腸内環境の状態とうつや不安障害などの精神疾患に関連があることが指摘されている。チームは「詳しい相関関係は今後の研究で解明するが、食生活を見直して腸内環境を整えれば、母親の精神疾患や虐待の予防につながる可能性がある」としている。 チームは0~4歳児を育児中の健康な母親339人に育児ストレスや、「疲れやすいか」「肌が荒れやすいか」などの身体症状について質問。さらに便に含まれる細菌を遺伝子解析し、種類や割合を調べた。 育児ストレスが高く、睡眠の状態が悪いなど心身ともに不調の母親は約2割の65人だった。細菌を調べたところ、育児ストレスの少ない母親と比べて腸内環境の多様性が低いことが分かった。