阪神・岩崎優 “代役”ではなく真のクローザーとなった左腕/区切りのシーズンを終えて
日本一を締めくくった男にとって充実した1年になった。守護神の岩崎優が自身初のタイトルを獲得(最多セーブ王)し、リーグ優勝、日本一に貢献してシーズンを終えた。 【選手データ】岩崎優 プロフィール・通算成績 プロ10年目はセットアッパーでのスタートだった。5月になって抑えだった湯浅京己の故障離脱でお鉢が回ってきた。そこからチームの勝利を決めるポジションを担った。 「チームが優勝して最後のマウンドに立てるのはクローザーの特権だと思います。すごくいい1年になりました」 最初のうちは湯浅の「代役」とささやかれたが、真のストッパーとして最後まで投げきった。胴上げ投手になったあとは「良かった」と胸をなで下ろした。 クライマックスシリーズ・ファイナルステージ3試合、日本シリーズ3試合に登板。レギュラーシーズンは60試合に投げて、35セーブ(3勝3敗)、防御率1.77の成績だった。 最多セーブのタイトル獲得は初めてだ。ヤクルトの田口麗斗、中日のR.マルティネスらと争った。球団左腕のセーブ王は1977年の山本和行以来だ。プロ入り後、シーズン60試合登板を超えたのは、これが4度目になる。「任されたところで投げるだけ」と言うが紆余曲折だった。 左手に打球を当てながら投げたこともあったし、連続被弾、5時間ゲームを抑えたことなど、さまざまなシチュエーションでチームを支えた。 岡田彰布監督も「最初から(抑えで)いっとったらもっと楽に(タイトルを)獲れたかも分からんけどよかった」とねぎらった。 写真=BBM
週刊ベースボール