Mrs. GREEN APPLEが主催対バンライブを開催。キタニタツヤ、imaseが出演したDAY2をレポート!
Mrs. GREEN APPLEがゲストアーティストを迎えて開催する「Mrs. TAIBAN LIVE」が昨年に引き続き開催された。今年は舞台を神奈川・横浜アリーナに移し、1日目は乃木坂46との2マン、2日目はキタニタツヤ、imaseというラインナップでの対バンが実現。それぞれのスタイルでシーンを席巻するアーティストとの化学反応、そして横浜アリーナを埋め尽くしたオーディエンスとの相乗効果で、ミセスはとてもパワフルでスケールの大きなライブを見せつけてくれた。ここではそのうちDAY2、5月22日の模様を、Mrs. GREEN APPLEが表紙を飾った『ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)新聞』MTV VMAJ 2023号外のメインライター小川智宏氏によるレポートを届ける。 【全ての写真】キタニタツヤ、imaseが出演した「Mrs. TAIBAN LIVE」(全12枚) 「『Mrs. TAIBAN LIVE 2024』へようこそ! 踊ろうぜ、横浜アリーナ!」。そんな言葉と共にテンション高くライブをスタートさせたのが、この日の1番手を務めたimase。1曲目「Nagisa」から、会場じゅうで手拍子が巻き起こる。アタックの強いドラムを軸にシンプルなバンドサウンドで鳴らされるそのサウンドは、音源で聴く以上に生々しくてパワフルだ。その真ん中にいるimaseも、率先して手を挙げ、ジャンプし、どんどん観客をのせていく。 最初のMCで学生のときから周囲も含めてみんな聴いていた、とミセス世代であることを告げ、「優しい兄貴」であるキタニとともにこうして対バンできることの喜びを素直に言葉にすると、アグレッシブなビートとEDM的な高揚感がアリーナを覆った「Shine Out」、一転、ピアノの軽やかな音色とコシのあるグルーブが心地よい「Have a nice day」、曲ごとにさまざまな表情を見せながら、どの曲でも観客を巻き込んで気持ちのいい一体感を生み出していく。そうやって生み出されていく光景はimase自身にとってもうれしいものだったようで、会場を見渡して「いつかワンマンでやりたいな」と口にするその顔には楽しげな笑顔が浮かんでいた。 そしてimaseの代表曲となった「NIGHT DANCER」を投下。「いけるか!」というimaseの声にこの日のライブで一番の手拍子が送られる。青とピンクのライトが客席を照らし出し、ライブはクライマックスへ。最後の曲「Happy Order?」まで全身を動かしながら歌を届けたimase。「めちゃめちゃ楽しかったぜ!」という最後の言葉には実感がこもっていた。 続いてステージに登場したキタニタツヤは、「スカー」のロックモードでキックオフ。ギターをかき鳴らしながら歌うキタニの立ち姿は文字通りロックスターのそれだ。もちろんそのサウンドに呼応して客席のあちこちで腕が上がる。先ほどのimaseのダンサブルでポップなムードにも、このアグレッシブなロックのムードにも自然とアジャストしてリアクションできるというのも、幅広い音楽性を体現し続けているミセスのファンだからこそなのかもな、と思う。とはいえもちろん、キタニタツヤというアーティストもさまざまな顔をもった人である。「悪魔の踊り方」「聖者の行進」と彼のライブに欠かせない楽曲を次々と繰り出してその強烈な世界観を見せつけていく。 彼にとって大森元貴は「勝手に打ちのめされてきた」存在だそうで、今日もファンやチームを含めたその存在の「デカさに新たに打ちのめされています」とリスペクトを表明。振り返れば19歳のときに「ナニヲナニヲ」を聴いたときから“ハイパージェラシー”を感じていたという。「ジェラシーを感じたバンドやアーティストをたくさん追い抜いてここまで来たけど、ミセスはずっと上にいるね。それを今日みたいな日に見せつけられているのはある種の気持ちよさがある」。そんな感覚を燃料に変えて、キタニのライブは進んでいく。「次回予告」では女性や子どもの声がインパクト大。超攻めた1曲だが、サビになった途端一気に開けていく感じがなんとも快感だ。 そんな「次回予告」とは対照的な「Rapport」をソリッドに演奏すると、切実なメッセージが胸を打つ「私が明日死ぬなら」へ。ラストの〈約束だよ〉というフレーズとともに立てた小指を掲げ、「また会える日を楽しみにしています」とこの日のオーディエンスと約束を交わすと、最後はキタニの名を世に知らしめた名曲「青のすみか」。1曲目と同様にギターを弾きながら歌うキタニのボーカルがどんどん熱を帯び、そのステージは最後に最大のハイライトを描き出した。