心の復興、782点の美 県民会館で県展開幕 6部門の入賞、入選作
富山県内最大級の公募展である第79回富山県美術展(県展、富山新聞社などでつくる実行員回主催)は1日、富山市の県民会館で開幕した。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門の入賞、入選作と会員出品を合わせた782点が並び、来場者は心を震わせる美の力を感じ取った。 開会式で新田八朗知事は、能登半島地震に触れ「物理的な復興はなるとして、心の復興が大事。多くの県民の心の復興を果たすためにも県展の開催は意義がある」とあいさつした。新田知事、審査員代表の宮瀬富之氏(日本芸術院会員)、伊東眞県芸術文化協会長、丸山幸一県展実行委員長がテープカットした。 県外審査員が部門ごとに作品を解説した。洋画は醍醐イサム氏が担当し、県展大賞を受けた河合雅子さん(射水市)の「春のことぶれ」について「言葉にできないものを画面にしてあり訴求力がある」と評した。 大賞に選ばれた正和淳子さん(富山市)の日本画、小杉峰廣さん(同)の書、齊藤九十九さん(同)の彫刻、田村美恵子さん(滑川市)の工芸、井出寛子さん(魚津市)の写真も来場者の関心を集めた。 訪れた稲垣敦子さん(67)=砺波市=は「作家の創作に掛けるエネルギーを感じられ、元気をもらえる」と話した。県展奨励賞を受けた片林和夫さん(70)=射水市=は「個性あふれる作品が集まっており、着眼点など大変勉強になる」と語った。 2日午後1時から作品解説、4日午後1時半から表彰式が行われる。展示は7日まで。