岡山駅東口広場から今夏撤去された大型円形作品「吉備沃野」を本に残そう NPOが製本代クラファン募集
JR岡山駅東口広場から今夏に撤去された大型円形作品「吉備沃野(よくや)」の写真や思い出を収録する本の制作に、NPO法人音楽の砦(とりで)(岡山市南区当新田)が乗り出した。「岡山の文化や歴史を象徴したモニュメントの記憶を後世に残したい」と、岡山県内の図書館や公民館に寄贈する計画。来年4月の完成を目指し、製本代などをクラウドファンディング(CF)で募っている。 2001年、県が新千年紀(ミレニアム)の記念事業として設置。床面にアカマツや備前焼などを敷き詰めた円形作品(直径26メートル)で、外周に当時の県内全78市町村の名を刻んだ青銅を配した。岡山市の路面電車乗り入れ事業に伴い、8月下旬に撤去、廃棄された。 本には、音楽の砦が3~6月に実施したフォトコンテストの応募作品約50点を掲載する。同時に撤去された「ピーコック噴水」と吉備沃野を撮り重ねた最優秀作品をはじめ、待ち合わせしたり、せわしく行き交ったりする人々と共に収めたカットなどがあり、県民に親しまれた情景を伝える。
「読み物としても面白い本に」と、思い出話を公募して盛り込むほか、吉備沃野の制作過程や完成記念式典の様子を報じた本紙記事も載せる。 B5判、48ページで、300~500部を発行予定。松原徹理事長(64)は「姿を消した吉備沃野にスポットを当てることで、多くの人が街のシンボル的なモニュメントや建築に目を向け、将来のまちづくりについて考えるきっかけになれば」と期待する。 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用。目標額は100万円で、12月10日まで募る。返礼品は本や吉備沃野をテーマにした楽曲のCDなど。 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/147921)。