宮城代表の小海はアンカーを担い、終盤で逆転。先頭でゴールテープを切った。写真：永島裕基

　１月14日、第42回全国都道府県女子駅伝が京都市内で行なわれ、宮城が２時間16分30秒で29年ぶり２度目の優勝を飾った。道中では兵庫の２区を担った田中希実（New Balance）が”19人抜き”という別次元の快走でトップを奪取するハイパフォーマンスで沿道の度肝うを抜き、５区では日本体育大の山﨑りさ、須磨学園高の池野絵莉が区間新記録（12分45秒）を樹立するなど、見応えのあるレースが相次いだ。 【PHOTO】スーパー高校生！ドルーリー朱瑛里の“激走”厳選フォト！ 　１区（６キロ）は石川代表の五島莉乃 (資生堂)が序盤から飛ばし、18分49秒の区間賞を獲得。能登半島地震で、いま現在も被災で苦しむ故郷にエールを送るような力走を見せた。 　大注目の２区（４キロ）は、1500・5000メートル日本記録保持者の田中が驚愕の走りを見せる。20番手で襷を引き継ぐと、圧巻のスピードでゴボウ抜き。一気にトップを奪取する異次元の走りに沿道のファンも騒然とした。注目のタイムは12分11秒。区間記録までわずか４秒届かなかったが、強烈なインパクトを残す区間賞だった。 　一方、前回大会で「驚異の17人抜き」が大きな話題を集めた16歳のドルーリー朱瑛里（津山高）も、８人抜きの快走。田中とは36秒差の12分47秒で襷をリレーし、昨年からの成長を見せた。 　序盤でリードを奪った兵庫が首位を走り、終盤の７区中継所地点では前回６位の千葉が24秒差。以下で宮城、神奈川、大阪、過去18回の優勝を誇る地元・京都が続く。 　レースは終盤まで白熱した展開となり、勝負は長丁場となる９区（10キロ）を担うアンカーへ。首位は兵庫、29年ぶりの優勝を狙う宮城が２位に浮上。神奈川が続き、千葉が４位に転落した。 　９区中間地点で、宮城の小海遥 (第一生命グループ)がついに兵庫を捉えて逆転。前回王者の京都も意地を見せて２位に浮上したが、小海のスピードは落ちず後続を一気に突き放し、トップでフィニッシュ。リードを守った宮城が頂点に立った。２位に京都、猛追した広島が逆転で３位に入り、兵庫は終盤失速して７位に終わった。 　 取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）