旅ライターが『ゴールデンカムイ』の聖地巡礼! “大沼だんご”をGETできる和菓子店や“金塊の井戸”も…
あの少尉が誘拐された領事館、五稜郭…
まず向かったのは、元町。鯉登少尉が幼少期に誘拐された旧ロシア領事館を目指しつつ、クラシカルな教会群や異国情緒漂う家並み、八幡坂から見下ろす函館港を眺めながら、ぶらぶらと散策。残念ながら旧ロシア領事館は改装中でネットがかかった状態でしたが、途中で見つけた焼きピロシキとボルシチのお店でロシア気分を満喫。 坂の途中から出ているロープウェイに乗り、函館山の山頂へ。函館港を見下ろしながら、ここから永倉、キラウシ、マンスールが鯉登パパの駆逐艦に向かって砲撃したんだなあ、と函館湾海戦のシーンを脳内再現。 さらに物語のクライマックスである五稜郭へ、路面電車で向かいます。 五稜郭とは、江戸幕府が蝦夷地の管理を目的として設置した箱館奉行所を防衛するために建てられた星形要塞。周囲約1.8キロの要塞の中を歩けば、二の橋や兵糧庫、箱館奉行所など作中に描かれた場所を見かけ、まるで本当にあった史実のように思えてきます。そして金塊が隠されていた井戸を発見。感無量!
みたらしとあんこの2種が楽しめる小粒のだんご
また、物語に登場する食べ物は、どんなものなのか、実際に食べてみたくなるもの。鯉登少尉が鶴見中尉に差し入れする、大沼公園駅の名物“大沼だんご”を求めて、JR函館本線に乗って大沼公園駅まで足を延ばしてみました。 「沼の家」は明治38(1905)年創業、五代続く老舗和菓子店。お目当ての大沼だんご(しょうゆ/あんこ)は、みたらしとあんこの2種が楽しめる小粒のだんごで、ユニークなことに折り箱に入っています。これは大沼公園駅が開業した当時、駅弁スタイルで販売したのがきっかけで、今もそのスタイルを踏襲しているそうです。 毎日米を挽いて、その日の気温や湿度によって蒸し方を変えて作る大沼だんご。やわらかくて、だんごのサイズもちょうどよく、甘さ控えめのあんこと絶妙なみたらしに、あっという間にペロリ、です。 大沼だんごを求めて沼の家を訪れる『ゴールデンカムイ』のファンは多いそうで、鯉登少尉に扮した子供や牛山のコスプレーヤーもやってきたとか。その場に居合わせたかった……。 とここまで紹介してきましたが、実は映画の『ゴールデンカムイ』は、これから始まる冒険譚のいわば序章といった感じ。クライマックスの函館はちらりとも出てきません……。はたして、続編は何作まで、何年間、続くのか? 気が遠くなりそうですが、楽しみは続きます。 函館港 ●アクセス 函館駅からバスやタクシーで約7分、路面電車なら約10分(元町) 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●オフィシャルサイト
古関 千恵子