自転車で南極点到達の会社員 デスバレー旅行は「失敗しました」
未舗装路はデスバレー国立公園内では走れず
昨年、有給休暇を使って、夢だった自転車での南極点到達を果たし、お盆休みを利用して今月11日に米国で最も暑いとされるデスバレー国立公園へ自転車旅に出た神戸市須磨区在住の会社員、大島義史さん(33)がこのほど帰国した。大島さん、今回のデスバレー旅は「結論から申し上げれば、失敗しました」と話し、公言していた未舗装路はデスバレー国立公園内では全く走ることができなかったことを明かした。
日陰の気温で53度も
大島さんによると、ウエストサイドロードが閉鎖されていたため、代わりにバッドウォーターロードという舗装路を走たっという。ただ、ここは気温がかなり高く、日陰の気温で53度もあった。 そして、夜間を徹しての砂嵐、強烈な熱波により、一睡もできなかったことなどが影響し「グリーンウォーターバレーロード」を目指している途中で全身痙攣(けいれん)を起こし「救助される羽目になり、2日でデスバレーから撤退しました」と話した。
「デスバレージャンクション」に3日間滞在
そのかわりに「デスバレージャンクション」に3日間滞在しアマゴサ砂漠を走ってきた。デスバレー国立公園の飛び地になっている砂漠の中にオアシスがあり、エメラルド色の池が点在、中には2万年前に海から取り残された固有種の魚が泳いでいる不思議な場所だったという。後に、ラスベガスまで走って戻り、20日深夜に帰国した。
厳しい場所だった。でも『成功』といえる旅
大島さんは「デスバレーは僕が経験した中で、一番やばい場所でした。南極はなんだったんだろうというくらいに、厳しい場所でした。あそこに滞在するのは、文字通り『死』を意味します」と語っている。 「僕は冒険家じゃないです、サラリーマンですから」というのが口グセの大島さんだが、今回もお盆休みの期間内でチャレンジをしてきた。結果は失敗だったかもしれないが、無事に帰ってくることが家族にとっても当然のことながら大切なことである。そして、帰国後まもなく出社し、通常勤務を行い忙しい日々を送っている点は、自称する「サラリーマン冒険家」らしいところだ。