川崎フロンターレのJ連覇の秘密
フロンターレが放った総シュート数434も、2位の北海道コンサドーレ札幌に40本差をつける最多。シュートを打つ機会が多ければゴールも増える。総得点53は横浜F・マリノスに1ゴール差の2位だが、マリノスの総失点はワースト3位タイの52。攻守が奏でるバランスのよさでも突出しているフロンターレは、まさに最強の「矛」と「盾」を手にしたことになる。 「ただ、今日みたいに負けちゃうこともあるし、そこはまだまだ詰めなければいけない、自分たちの伸びしろの部分だと思っている。その意味でも残り2試合、今日みたいな試合をしないように、一丸になって絶対に勝ってシーズンを終わらせないと」 16試合ぶりにふた桁の被シュート数を許したセレッソ戦だけではない。6本に封じたレッズ戦、5本に封じたガンバ戦では、ともに被シュートのうち2つをゴールへ叩き込まれて敗れた。たとえ打たれても枠に飛ばさせない術も、これからはチーム全体で追求していく必要もある。 天皇杯ですでに敗退しているフロンターレは、24日のFC東京戦、そして12月1日のジュビロ磐田戦で今シーズンを終える。それでも2007―09シーズンのアントラーズに続く3連覇がかかる新シーズンへ、攻防一体となった究極のポゼッションスタイルを作り上げていく王者の前に消化試合は存在しない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)