第5次ブームの「カプセルトイ」相次ぐ専門店 CD販売スペースを転換した店は来客数が10倍にアップ
“ガチャガチャ”や“ガシャポン”の愛称で親しまれるカプセルトイ。「第5次ブーム」ともいわれ、専門店の出店が福井県内でも相次いでいる。中には、CDの販売スペースを丸ごとカプセルトイのコーナーにし、来客数が10倍近くになったという店もある。
専門店が続々オープン
カプセルトイは、少し前まではスーパーやゲームセンターの一角にあるイメージだったが、いまでは専用の広いフロアにおびただしい台数が設置されている店も少なくない。 福井市にある「勝木書店SuperKabos二の宮本店」に9月にオープンした「ガシャココ」の売り場には、500台以上のカプセルトイ販売機がずらりと並ぶ。200円から1500円までと幅広い価格設定になっている。
手ごろな価格帯でクオリティが高い
人気のキャラクターやぬいぐるみなど種類も豊富で、子どもだけでなく大人も「つい回しちゃう、何が当たるか分からないところがいい」「手軽な値段で最近は中身が進化しているので、ついやっちゃう」とその魅力を語る。 人気のお菓子や動物など、本物のような精巧な作りのものも人気だ。「動物園で見たことがある鳥。くちばしの色がすごくきれいで、めっちゃリアル!」 と集めたものを並べて飾るのを楽しむ人もいる。 毎月500種類以上の新商品が発売されてるカプセルトイ。「ガシャココ」では週に2回、商品の入れ替えを行っていることもあり、“同じ商品は出ないかも”という一期一会も魅力の一つとなっているようだ。
市場規模は1年で430億円アップ
一般社団法人カプセルトイ協会によると、2023年の市場規模は約1150億円と、前年の720億円から430億円アップしている。2020年のコロナ禍以降、専門店の出店が増え始め、2023年は全国で200店舗以上のカプセルトイ専門店がオープンした。 新型コロナの影響で、空きテナントが増えた商業施設への出店が増加したことや、物価高騰の中でも比較的安価で購買意欲が高まったことなどが要因とされている。
新たな客層の獲得にも期待
取材した「ガシャココ」は本屋の2階にあり、元々はCDの販売スペースだった。 越出陽裕副店長は「CD自体は根強い客がいるが、SNSやサブスクの影響で発売されるCDの数自体が減っているため、カプセルトイに入れ替えた。体感で今までの5倍から10倍の客でにぎわいを見せている」と話す。カプセルトイ効果により新たな客層の獲得にもつながっているという。 「今まで来た事がない客も多く来てくれている。これを機に書店にも足を運んでもらいたい」と期待を込める。 子どもから大人まで楽しめ、何が出るか分からないワクワク感があるプセルトイの市場拡大は、まだまだ続きそうだ。
福井テレビ