「骨太」をめぐり、積極財政派と緊縮財政派の動きが活発に
2025年度「骨太の方針」をめぐり、自民党内で積極財政派と緊縮財政派の動きが起こる
飯田)流れはできても、まだ実現していないような状況で、マイナス金利解除が先行する可能性はありますか? 須田)いや、先行しないと思います。確実に見極めてから行われるでしょう。ただ、金融緩和政策だけで本当にデフレから脱却できるのか。総需要、つまり民間セクターの需要に加えて、公的セクターの需要……財政出動が必要です。財政出動が望めるかどうかも、1つの方向性として見極めるべきポイントだと思います。 飯田)財政出動があるのかどうか。 須田)2025年度予算の編成作業に向けて、前提条件となるのが「骨太の方針」です。6月にも閣議決定されると思いますが、どういう方向性が打ち出されるかで、政権のスタンスが出てきます。積極財政派の動きや、それに対抗する緊縮財政派の動き。特に、自民党内における積極財政派の動きが、週内にも間違いなく起こってくると思います。
水面下で「25年度予算編成」のバトルが始まる ~積極財政派が決起する動きも
飯田)予算と言うと、各省庁による概算要求が秋口ぐらいからニュースになりますが、実はそれよりも前に大きなバトルがあり、6月の「骨太の方針でどう書かれるか」につながるのですか? 須田)最初に政府が素案をつくるのですが、それが与党に送られ、自民党の各部会でそれぞれの省庁予算について攻防が行われる。それを政調会に送り、フルオープンで議論され、最終的に政調の意思決定機関である政審に送られて合意となります。ここが1つの大きな山場になっているのです。そのあと、自民党の最高意思決定機関である総務会の了承を得て、内閣に差し戻され、閣議決定が行われる。これが6月までの流れですから、そろそろ動く必要があります。 飯田)きょう(4日)の朝日新聞の社説が、普通であれば2つのネタなのに、きょうは1つのネタでした。 ―– 『(社説)財政運営の改革 持続性を取り戻すために』 ~『朝日新聞デジタル』2024年3月4日配信記事 より ―– 飯田)結局、緊縮財政をずっと書くような内容なのですが、このタイミングが関係しているのでしょうか。 須田)衆院で予算が可決したら、はっきり言って24年度予算は終わってしまったのです。 飯田)30日が経過すれば自然成立するから。 須田)ここから、いよいよ25年度予算編成に関して、水面下でのバトルが繰り広げられます。先週末から積極財政派が決起する動きが見えてきたので、先行するために財務省の意向を汲んだ朝日新聞が、そういう社説を書いたのでしょう。