細田守監督、新作アニメ映画『果てしなきスカーレット』2025年冬公開 製作状況に「間に合うのか…。ドキドキしています」
東宝は23日、東京都内で「2025年東宝配給作品ラインアップ発表会」を開き、細田守監督(57)の新作アニメ映画「果てしなきスカーレット」を同年冬に公開すると発表した。興行収入66億円を記録し、世界的な話題を呼んだ前作「竜とそばかすの姫」以来4年ぶり7作目で、細田監督が脚本と原作も手がける。ハリウッドメジャーのソニーピクチャーズが、スタジオ地図と出資を含めて共同製作し、東宝が配給する日本以外の全世界配給を行う。 細田監督はこの日、会見を開いて作品のビジュアルを初公開。新作は「時空をこえる強き王女(ヒロイン)誕生―」と紹介され、ビジュアルではマントをなびかせて剣を携え、遠くを見つめる主人公スカーレットがお披露目された。 細田監督は「強いまなざしを持って混沌(こんとん)の世界から希望を見て、果てしない遠くを見ている」と解説し、主人公像については「とある国のプリンセス。厳しい世界を旅して、アクション、ロマンスがあり、皆さんに楽しんでもらえる」と説明。時空を超えた内容でもあり「大きなテーマを扱う」とし、有名な古典をベースにしていると明かしたが詳細は伏せ「生と死みたいなことに踏み込むのも大きなテーマ」と語った。 ほかには「スカーレットだけでなく、もう1人人物がいて、旅をするみたいなことになる。絆をかなり深く描く作品になる」とロードムービー的な内容も示唆。「セルアニメではなく、ハリウッド的なCGでもない。新しい”ルック”でアニメーションの可能性を広げたい」と新しい挑戦も口にした。
細田監督作品といえば、過去6作品は夏公開で、新作は異例の冬公開となる。細田監督は、自身の作風をなぞらえて「夏の日本を舞台にしてきた。日本人ではない主人公で現代人ではないかもしれない。平たんではない世界。さわやかな入道雲はないが、満足してもらえる」と手応えを見せ、製作状況については「2025年冬、間に合うのか…。ドキドキしていますが、頑張って作っていきたい」と意気込んだ。 同席したスタジオ地図の齊藤優一郎プロデューサー(48)は「この企画を見た第一印象は、世界中で社会現象が巻き起こるのでは」と衝撃を振り返り、ハリウッドメジャーとのタッグに「初の試みとなる共同出資、製作で全世界配給するスクラムを作り上げる」と自信を見せた。
中日スポーツ