俳優・大谷亮平「楽しむために挑戦している」、ブレない仕事流儀【インタビュー】
「ワイルドセクシー」という言葉がよく似合う俳優・大谷亮平。今や数々のドラマや映画、そして近年では舞台でも見かける機会が多くなってきたが、日本で活動をはじめてようやく8年が経ったところだ。 【写真】大谷の熱演っぷり、称賛が相次いだ過去の公演より かつてはどこへ行っても「韓国からの逆輸入イケメン」と称されていたが、認知度とともにそんなキャッチコピーも消え去り、増えるのは「称賛」の言葉。「そういえばいろいろと呼ばれていましたね(笑)」と、これまでを振りかえり、本人も笑みを浮かべる。 同インタビューでは、役者を続ける上で大切にしている「マインド」について、そして3度目の出演となるミュージカル『ボディガード』について話を訊いた。「うらやましくなるときがある」、43歳・大谷が求めるものとは? 写真/Ayami
◆ スタンスは「自分が納得したものを」
「初演(2020年)を経て、舞台はこういうことか!と一端が分かり、再演(2022年)で初めて全公演を完走し(初演はコロナ禍により大半が中止に)、ようやくいろんなことが理解できた」。本作は大谷にとって初の舞台作品となったが、「好演」にふさわしい表現力で主人公・レイチェルを命がけで守り抜くボディガードのフランク役を全う、観客のハートを打ち抜いた。 朴訥とした佇まいからちらりと覗く、どこか異世界から来たような魅惑的な雰囲気に、計算し尽くされた完璧な言動・・・そんな大谷が演じた「全米が恋をした男」(※原作の同名映画では名優ケビン・コスナーが熱演)には、各方面から称賛の声が絶えなかった。 だが「2度目より3度目、『より良い舞台にする』というのはもちろんあって、それは個々の見せ方が大きく関わってくると思う」と、決して満足している様子はなかった大谷。 「僕はレイチェルとのシーンが多いのですが、2人で変えていくというより、単体がもっと魅力的になればより(作品自体が)上がっていくと感じて。僕は(過去の映像で)自分が演じるフランクという男を見たときに、隙や演技している様が見えたんです」 「フランクとしてこの動きはどうなんだ? と思って。お客さまがどう思うかは人それぞれなのですが、自分自身で客観視したときに『これで大丈夫だ』と思えると、達成感はより大きなものになるんじゃないかな、と思いますよね。自分が納得できる所へ達するために、どうなんだろう?という部分を大切にしたい」と、ここもやはり驕らない。 そして、自身のそんな姿勢を大谷は誰よりも熟知しているのか、「純粋に楽しむことって、この仕事やりながらできるのかな?(笑)」とも。