新たなスタートを切る『兜町かるた亭』新シリーズは浪曲二席に講談一席の構成に
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。 【水先案内人 長井好弘のおススメ】 東京・神保町の奥野かるた店で30回続いた「浪曲かるた亭」が日本橋兜町に会場を移し、会の名も改めての新たな第一歩を踏み出す。神保町時代はベテラン浪曲師に程よく若手を絡めたバランスの良い会だった。新シリーズでは伸び盛りの若手が核となり、毎回講談を一本加えるという形になった。 注目の第一回の公演は、哀愁漂う本格浪曲の富士綾那が『江戸の雪晴れ』、面白浪曲が評判の東家千春が『陸奥間違い』を口演。綾那、千春という東家三楽門下の姉妹弟子に負けじと、若手講談の神田伊織が赤穂義士伝『南部坂雪の別れ』を読む。 会場の兜座はどの席からも高座がよく見える階段状の構造であり、いずれ劣らぬ実力派の火花散る競演を至近距離で楽しむことができる。新たな浪曲会の船出を見届けたい。 <公演情報> 『兜町かるた亭』 2024年12月20日(金) 東京・アートスペース兜座 開場 18:00 / 開演 18:30 【出演】 東家千春 『陸奥間違い』 神田伊織 『南部坂雪の別れ』 富士綾那 『江戸の雪晴れ』 【チケット】 前売・当日ともに:2,000円 U-25:1,000円